Alphabet傘下でGoogleの兄弟会社であるLoonと、ペルーで地方のモバイルインフラ事業を手がけるInternet Para Todos Peru(IpT)は、高高度気球を利用し、モバイルインターネットアクセスをアマゾン奥地などに拡大する契約を結んだ。2020年にペルーでTelefonicaの顧客にサービスを提供することを目指す。
IpTは、Telefonica、Facebook、IDB Invest、CAF(ラテンアメリカ開発銀行)が共同で運営している。LoonとIpTはまず、ペルー北部のロレート県内で、約20万人が暮らしているが、3G以上のサービスを利用できない一部地域にサービスを提供する。
Internet para Todos Peruの最高経営責任者(CEO)Teresa Gomes氏は、「今回の挑戦で、革新的で持続可能な技術を用いてアクセスが困難な地域にリーチし、地理的、技術的、経済的な複雑さを克服できるようになる。Loonとの合意によって、ディスラプティブな技術を利用し、モバイルインターネットアクセスをより多くのペルー国民に向けて拡大する」と述べている。
Loonは、海抜20kmの高さで動く高高度の気球ネットワークを利用し、浮遊する基地局としてインターネット接続を提供する。
Loonによると、IpT、Telefonicaと協力し、サービス開始を前にペルーの運輸通信省(MTC)から規制上の承認を得ようとしている。承認されれば、ペルーは南米で初めて、平常時に持続的な形でLoonを利用することになる。
Loonは2017年10月、ハリケーン「マリア」による甚大な被害を受けたプエルトリコでのネットワーク接続の復旧支援に気球を利用する許可を米連邦通信委員会(FCC)から得た。
2017年にエルニーニョ現象による洪水でペルー北部の各地が被災した際や、2019年5月にペルーでマグニチュード8.0の地震が発生した際も、これらの気球が使われた。
またLoonは現在、ケニアの移動体通信事業者Telkom Kenyaと結んだ契約の一環として、同国で成層圏気球の運用を開始するために、規制当局からの書面による最終承認を待っているところだと明らかにした。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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