Microsoftによる初の本格的なダイバーシティおよびインクルージョンレポートから、テクノロジーの世界ではお馴染みの現状が見えてくる。それは、ダイバーシティの向上に関しては進歩が遅い、ということだ。
Microsoftは2014年以降、従業員のジェンダー、人種、民族の内訳を公開してきた。47ページからなる今回の文書では、ダイバーシティとインクルージョンを推進するプログラム、パートナーシップ、戦略をさらに詳しく説明している。
他の多くのテクノロジー大手企業と同様、Microsoftも従業員は主に白人男性が占める。加えて、技術職に就いている女性の割合は低く、マイノリティーの割合はさらに低い。
Microsoft全体で、女性の割合は2018年以降、世界で26.6%から27.6%に増加した。男性の割合は、2018年の73.4%から72.3%に減少した。米国では、アフリカ系米国人の従業員の割合は4.1%から4.5%に増加した。ネイティブアメリカンとアラスカ先住民族の割合は0.5%で横ばいだった。アジア系は従業員の33.1%を占めており、2018年の31.9%から増加した。ヒスパニック系はわずかに増加し、6.0%から6.3%になった。複数の民族に属する従業員の割合は1.8%から2.1%に増加した。ハワイ先住民族と太平洋諸島の民族も0.2%で横ばいだった。最後に、白人従業員の割合は55.1%から53.2%に減少した。
技術職についても考える必要がある。米労働統計局によると、米国で技術職は特に成長著しく、報酬も高い職種だという。
Microsoftを含む大手テクノロジー企業は、技術職の女性の割合を30%に到達させることさえ苦戦してきた。技術職に占めるマイノリティーの割合を比較すると、Microsoftは多くの場合、他のどの企業よりも低くなっている。世界全体で、技術職の女性の割合は19.9%から21.4%に増加した。米国で技術職に占める人種の割合をみると、アフリカ系米国人は2.8%から3.3%に、ヒスパニック系は4.5%から4.9%にそれぞれ増加した。
Microsoftのレポートには、有色人種の女性の割合など、複数の属性を横断したデータは含まれていない。Microsoft、Google、Apple、Twitter、Facebookなどのテクノロジー大手のうち、そうした属性データを公開しているのはGoogleだけだ。ダイバーシティ推進派は、有色人種の女性が経験することは、白人女性が経験することとは異なると指摘している。ジェンダーだけでなく、人種に関連した差別やハラスメントなども経験している可能性があるからだ。こうしたデータは追跡する価値のある評価基準だと、ダイバーシティ推進派は主張している。
今回の詳細なレポートでは、Microsoftの取り組みに関する他の情報も記載されている。たとえば、報酬データを見ると、米国の「人種的および民族的マイノリティー」の従業員は、白人の従業員が受け取る報酬1ドルあたり1.006ドルの報酬を受け取っている。米国のMicrosoftで働く女性は、男性の従業員が受け取る報酬1ドルあたり1.001ドルの報酬を受け取っている。Microsoftはここでも、属性を横断したデータを公開していない。米国全体で見ると、有色人種の女性は白人女性より報酬が少ない傾向がある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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