「Fitbitがこれまで行ってきたプライバシーへの献身的な取り組みも尊重する。ユーザーのプライバシーは当社にとって極めて重要であり、当社はユーザーに選択肢と管理機能、データのポータビリティーを提供する。削除や修正など、各自のデータを管理するためのツールもユーザーに提供する。希望するユーザーに、データをエクスポートできる機能を提供するということに関して、当社はこれまでも業界をけん引してきた。Googleの強力なデータセキュリティとポータビリティーの基準をFitbitにも適用する」(Dickinson氏)
AI
「ウェアラブルは、アンビエントコンピューティングにおいても重要な要素だと考えている。Googleはこの分野にも関心を示している」。そう語るのはCreative StrategiesのアナリストのCarolina Milanesi氏だ。「アンビエント」はこの1年間、「Jacquard」や「Soli」、スマートホームソリューションなどの新興テクノロジーと共に
Googleのキャッチフレーズとなっている。
Googleは健康とフィットネスに関して、コーチングとAI主導のガイダンスを深化させることを計画しており、Googleの次のスマートウォッチ(またはWear OSプラットフォーム)では、そうした機能が取り入れられると予想されていた。「Alexa」に対応したFitbitのVersa 2では、アシスタントを搭載したものの中核的な機能に組み入れられることはなかった。
Fitbitが先頃、サブスクリプション型のコーチングサービスに進出したことで、別の道が開ける可能性もある。これまでのところ、筆者はFitbitの「Premium」サービスにそれほど魅力を感じていないが、Googleが今後、機能を強化する可能性もある。
筆者が一番懸念しているのは(Fitbit所有者なら同意してくれると思うが)、フィットネスと健康に関するこの大量のデータが次にどこに行くのか、ということだ。Googleはプライバシーを誓っているが、非常に個人的な大量の情報が突如として、これまでよりもはるかに巨大なエコシステム内で管理されるようになる。次に何が起こるのかは分からない。GartnerのAntin氏は、パニックに陥る理由はそれほどないと考えている。「Googleは細心の注意を払って、データを匿名化している。心配は無用だ」(同氏)
長期的には、コーチングとサブスクリプションサービスに関するデータが重視されるようになるのかもしれない。「データや検索、広告についての議論が白熱していることは知っているが、Googleは将来、それと無関係なこともやるのではないか、と私は考えるようになった。データは広告よりもAIにとって重要なものになり、Googleは有料サービスへの移行を進めるのではないだろうか」(Milanesi氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。