KDDIと日立物流は10月28日、次世代通信システム「5G」を活用した、物流の高度化に向けた実証実験を開始すると発表した。実験期間は2019年11月から2020年10月。
両社では、少子高齢化、労働人口の減少による物流センターの労働力不足、EC事業者などの台頭による小口配送需要の増加により、物流センター運営の省人化・効率化は物流業界共通の課題になっていると説明。また、「高速・大容量、低遅延、多接続」の特性をもつ5Gは、2020年春より商用化する予定で、すでにさまざまな業界で実証実験が実施され、物流領域への活用も大きく期待されているという。
そこで両社は、次世代物流センター構築の一環として、5Gの活用による各種センシングやAIによる画像認識技術などを駆使し、作業者一人ひとりのリアルタイムな動態把握による、安全で安心な職場環境の構築に加え、倉庫内のあらゆる状況変化を一元で管理、監視し統制することで、物流センター運営全体の最適化に向けた実証実験を実施するとしている。
具体的には、KDDIが有するビジネス開発拠点「KDDI DIGITAL GATE」を活用した基礎技術の実証と、日立物流の首都圏地区のアセットに5G環境を構築し、実フィールドで各種実証実験をするという。
日立物流は、2019年度よりスタートした中期経営計画「LOGISTEED 2021」において、物流領域を超えた協創の拡大を掲げ、さまざまなパートナーと「スマートロジスティクス新技術開発と現場への実装加速」を進めている。一方のKDDIでは、5Gの特性による物流領域における新しい価値創出と、AIによる画像認識技術などを利用した高速かつ精緻な商品認識により、物流業務の高速化・省人化を実現するソリューションの構築を目指している。
両社は、この実証実験を通してそれぞれのノウハウを持ち寄り、物流領域における5Gの本格的な導入に向けて、効果的かつ複合的なソリューションの開発・現場実装を加速させるとしている。
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