中国に拠点を置くNreal Ltd.は10月7日、開発を進めているMR(複合現実)グラス「NrealLight」に関する記者説明会を都内で実施。日本の開発者向けに支援するプロジェクトなどを発表。コンテンツの拡充を図るとともに、NrealLightの日本市場への投入ならびに、アプリ開発者の獲得に意欲を示した。
NrealLightは、メガネ型デザインと88gという軽量さが特徴のMRグラス。スタンドアロン方式ではないが、動作のコア部分を接続したスマートフォンやPCなどに依存することで、本体の軽量化を実現した。本体に搭載された3基のカメラによって空間を認識し、現実世界にデジタルな物体や情報を重ね合わせて表示する。視野角は52度で、6DoFトラッキングが可能となっている。また、スピーカーやマイクも本体に搭載されており、イヤホンなどで耳をふさがない状態で利用できる。価格については、一般的に高価とされているMRグラスのなかで、BtoC向けとして499ドルに設定しているのも特徴。一般ユーザー向けには、2020年の早い段階での発売時期を計画している。
日本市場への投入も計画されており、5月にはKDDIと戦略的パートナーシップを締結。日本展開について共同で推進することを発表している。なお日本向けの販売価格について、登壇したNreal Ltd.副社長のJoshua Yeo氏によれば、現状では未定としながらも、為替のレートや関税などをふまえて、6~7万円程度という見方を示した。
本格展開に先立ち、XRアプリ開発者や開発会社向けの支援プロジェクトとして「PROJECT EVE」を発表。広くアプリの申請を受け付け、審査通過した際には、NrealLight本体を1~2週間ほど貸し出し、MRアプリ化の開発を行う。また、NrealLightデベロッパーキットを無償で貸し出すほか、テクニカルサポートの提供、さらに公式デモへの採用の可能性もあるとしている。10月9日から申請を受け付ける。
このほか、NrealLightの日本市場での普及やパートナー企業と共同で取り組むユースケースの開発、開発者や消費者をつないでNrealコミュニティ発展を目指すエバンジェリスト・プログラムも展開。現在のところMESON、ENDROLL、Graffityの3社が選出。また、さらに2社ほどを募集しているという。
関係者の説明のなかでは、NrealLight向けのデベロッパー向けの申し込みが、中国に次いで日本が多かったこと。また、ほかの国にはない独特な感性を生かしたアプリ開発への期待などを語ったうえで、積極的に協力していく姿勢を示し、支援施策を通じてコンテンツの拡充を図る考えを示した。
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