8月28日に開催した朝日インタラクティブ主催の「CNET Japan Conference不動産テックカンファレンス2019」では、クラウドプラットフォームのスタンダード的な存在となったAWS(Amazon Web Services)の日本法人であるアマゾン ウェブサービス ジャパンが講演した。AWSと不動産の関係とは一体どういうものなのか。同社IoTソリューション・スペシャリストの門田進一郎氏が、AWSを採用した企業の数々の実例とともに、その実績と将来性をアピールした。
AWSがスタートしたのは2006年。それから13年が経過し、現在では世界はもちろん日本でも多数の企業に採用されているのはご存じの通りだ。仮想マシン、ストレージ、データベースのほか、IoTや機械学習などを支援する165を超えるサービスを利用でき、アクセス可能な拠点として今や東京をはじめ世界各地に21のリージョン、1つのローカルリージョン(大阪)、66のアベイラビリティゾーンが設けられるに至った。
各サービスにおける機能についても、主にユーザーの要望に応える形で年々充実させており、2018年には1年間で1957もの機能が追加されたという。また門田氏によると、AWSで提供されるサービスは「先にプレスリリースを書き、その内容がお客様にとって本当に良い製品、体験であれば開発に入る」とのことで、開発者視点ではなく、あくまでもユーザーの視点を重視した企画、開発フローが採られていることも明かした。
不動産のカテゴリーで言うと、これらAWSのサービスはスマートホーム、あるいはホームオートメーションといった分野で利用されているのが想像しやすい。スマートホーム機器を音声で操作できるスマートスピーカーのAmazon Echoシリーズのように、音声アシスタントAlexaを搭載したデバイスは、それ自体がAWSを利用してスマートホームのハブとして動作しているだけでなく、スマートホーム機器を制御するためのさまざまなスキルもAWSを介して各社から提供されている。
「不動産」の範囲をもっと広げると、Amazonの物流拠点で商品のフルフィルメントセンター(FC)内の自動搬送を実現するロボットが、AWSを活用して自己の位置や商品情報を把握しており、無人店舗のAmazon Goでは来店客の特定や商品の画像認識にAWSを駆使している。当然ながらそこでは、AI処理を可能にするサービスだけでなく、データベースを提供するサービスやビッグデータを効率的に分析するサービス、あるいはIoTを容易に実現するサービスなど、複数のサービスが組み合わされている。あらゆる分野のあらゆるクラウド処理に必要なすべてのサービスを取りそろえているのが、AWSの強みというわけだ。
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