門田氏は、そうしたAWSの実情をおさらいした上で、AWSが影で支えている数百万もの企業における製品・ソリューション・サービスのうち、国内における不動産に関わる事例、あるいは不動産業界に応用できそうな事例を紹介した。
1つは大阪ガスが提供する家庭用燃料電池エネファームの事例。家庭に設置しているエネファームの設備が家庭内無線LANを介してAWSに接続し機器の稼働状況を監視している。その情報から故障の発生などを検知することができ、その場合はスムーズに修理対応の手配と実際の修理を行えるような体制をとっているという。
米国およびインドで事業を展開する日本企業のKiiは、ピザの自動販売機にAWSを活用している。同社の自動販売機は、材料や調理方法をカスタマイズでき、地元のピザ店がつくるピザをそのまま提供できるのが特徴。そうした調理方法の設定のほか、在庫や売上の管理、メンテナンスなどさまざまな側面からAWSが支援している。これらの事例は、ビルのメンテナンスの仕組みにも応用できるのではないかと同氏は語る。
回転寿司チェーンのスシローでは、全国の店舗で1皿1皿にタグを取り付け、レーンの要所にはセンサーを設置して、AWSでそれらのデータを分析している。これにより、どのタイミングでどの寿司ネタが売れそうかを推測し、事前に寿司ネタを解凍しておけるようにすることで、効率的なオペレーションと顧客満足度向上、コストと食材廃棄の削減につなげている。競争の激しい回転寿司業界において、同社が近年順調に業績を伸ばしている背景には、こうしたテクノロジーへの投資があるとも考えられる。
物流会社のウィルポートは、配送に用いるトラック等の車両に加速度センサーを取り付け、そこから得られたデータをAWSで分析することによって、ドライバーの安全運転度合いなどのパフォーマンスを「ドライバーカルテ」として可視化していく。荷物の配送管理にもAWSを利用しているが、さらなる配送の効率化を図るため同社独自に宅配ロッカーを開発。その施錠・解錠には、設置場所の自由度を高めるため乾電池で動作するIoTデバイスを使い、これもAWSを通じた管理を行うことで物流改革を進めているという。また、この宅配ロッカーはメガネチェーンのメガネスーパーにも導入され、顧客のコンタクトレンズ受け取りに活用されているとのこと。
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