Appleは米国時間8月28日、音声アシスタント「Siri」の音声録音をデフォルトで保持することをやめると発表した。
The Guardianが7月、ユーザーの音声コマンドによる会話を請負業者が定期的に聞き取っていると報じたことを受け、Appleは、Siriのプライバシーに関する変更を発表した。データは匿名化されるものの、聞き取られていた会話には、個人の名前、医療記録、薬物売買、性行為などの詳細が確認できる内容が含まれていたと報じられていた。
Appleは8月上旬に、この請負プログラムを停止すると述べ、28日の発表に先立って、欧州で同プログラムに携わっていた少なくとも300人の請負業者との契約を解消した。
Appleが請負業者にSiriの会話の聞き取りをさせていたのは、Siriの人工知能(AI)を強化するためだった。人間による聞き取りは、「グレーディング」と呼ばれるプロセスによるソフトウェアの改善に役立っていた。Appleはグレーディングを続行するが、音声はユーザーがオプトインした場合のみ提供されるようになり、Appleがデフォルトで音声録音を取得することはなくなる。
Appleは、2019年秋に同プログラムを再開する計画だが、音声録音を聞くことができるのはAppleの従業員のみになると述べた。意図せずSiriを呼び出してしまったと判断された音声録音は削除するという。
GoogleやAmazonの音声アシスタントとは異なり、Appleは、ユーザーが自分の音声録音を削除する手段を提供していない。それは、GoogleとAmazonが録音データを自社サービスの個人のアカウントに紐づけているのに対し、Appleは各録音データにランダムな識別子を付けているためだ。Appleは発表の中で、その機能は「デジタルアシスタントの中でもユニークなもの」だと考えていると述べた。ランダムな識別子は6カ月後に削除されるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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