サムスンはMicrosoftとの提携を強化し、写真用「OneDrive」ストレージやスマートフォンとPCの同期など、新たなアプリや機能を発表した。「Galaxy Note10」および「Galaxy Note10+」用に設計されたこれらの新機能は、サムスンが「iPhone」に対抗する助けにもなりそうだ。
サムスンとMicrosoftは、Galaxy Note10とPCを簡単に連携させる機能を提供するために協力したことを明らかにした。Galaxy Note10にはMicrosoftの「スマホ同期」アプリがプリインストールされる。このアプリは、スマートフォンとWindows PC間でのテキストメッセージの同期を可能にする。年内には、スマートフォンへの着信をPCで受けたり、PCから電話したりすることも可能になるとサムスンは語った。
Galaxy Note10は、MicrosoftのOneDriveを使って写真を保存することもできる。さらに、Microsoftのメールアプリ「Outlook」と「Office」の「Word」「Excel」「PowerPoint」もプリインストールされる。
Microsoftの最高経営責任者(CEO)、Satya Nadella氏はニューヨークで米国時間8月7日に開催されたサムスンのUNPACKEDイベントに登壇し、「われわれは、通話やSMSからメールや写真までの日常体験をすばらしいものにし、すべてのデバイス間のやり取りをシームレスにしていく」と語った。
この提携は、両社の以前からの提携を拡大したもので、ただの便利さの融合ではないとNadella氏は言う。「Microsoftの知的体験と、Galaxy Note10と『Galaxy Book S』のようなサムスンのパワフルで革新的な新デバイスの組み合わせが、これを可能にした」
提携の強化は必要に迫られてもいる。
Appleとサムスンの「あなたにできることなら私はもっとうまくやれる」バトルでは、iPhoneを擁するAppleはソフトウェアで常に優勢だ。Appleの「Handoff」技術で、ユーザーは「iPad」で書き始めたメールの続きをMacで完成させることができる。Appleの生産性スイート「iWork」は、ワープロの「Pages」、表計算の「Numbers」、プレゼンテーションの「Keynote」で構成されており、すべてのMacとiPhoneのユーザーに無償で提供されている。そして、「iCloud」の「写真」は「Googleフォト」の最強のライバルとみなされている。
サムスンはMicrosoftと協力することで、このギャップを埋めようとしている。
Creative Strategiesのアナリスト、Carolina Milanesi氏は「iPhoneとMacのマジカルなコンビネーションをサムスンに取り込めれば大きい」と語った。一般的な人はほとんどが、スマートフォンにプリインストールされているサービスをそのまま使う傾向にあることを考えれば、この提携にはさらに意味がある、と同氏は言う。例えば、プリインストールされているOutlookをユーザーが使えば、Microsoftにとって有利だ。
Moor Insights & Strategyのアナリスト、Anshel Sag氏は「Microsoftはずっと、モバイル市場でうまくやろうと苦戦してきた。ついに強力なモバイルパートナーを獲得した」と語った。
単にアプリを通じてだけでなく、スマートフォンに直接サービスを統合することも、Microsoftにとって有利だろう。「これでGalaxy Note10は本当に生産的なデバイスになる」(Sag氏)
Microsoftはまた、サムスンのGalaxy Note10/10+を自社の公式ストアで販売する計画だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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