埼玉県越谷市は、都心から25キロ圏内に位置する。都心から近い立地を生かし、痛みやすいいちごを完熟した状態で出荷することで高収益化を実現。また、いちご狩りが楽しめる関東最大級のいちご観光農園「越谷いちごタウン」を運営し、安定した農業経営に取り組んでいる。
そうした越谷市がいちごに続く新たな高収益農業を模索している中、東京都町田市の「まちだシルクメロン」に出会う。まちだシルクメロンは、精密機器や医療機器メーカーなど地域の協力企業が持つ技術を農業の分野に応用。1株から20~60個のメロンを収穫できる多収穫、平均糖度15度、芽かき作業の省力化、ハウスで周年栽培可能、1年に3~4回の収穫サイクルという特徴がある。
「農業は儲からない」とはよく言われるが、高齢化社会の中で、農業地の多い越谷市が、市の価値を上げるために取り組んでいるのが高収益な農業だ。
越谷市は、2018年にメロン栽培を手掛け始めた。越谷市農業技術センター所長の石川博規氏は、「133個のメロンができ、1回目としてはいいものができたのでこれであればうまくいくと思ったが、秋〜冬にかけると、気温も下がるし日照も減る。同じ要素でも40個しかとれなかった。照度やCo2の濃度が足りなかったと予測はつくが、確証が得られない。なぜならデータを常時観測しているわけではないから」とし、安定した収穫に向けた課題を、IoTの力で解決したいと説明した。
一方の富士通も、「日々の作業をデジタル化し、作業記録と生育記録を結びつけて解析。育成日誌として一元管理することを目指す。高品質で高収穫なメロンをつくりたい」とコメントした。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」