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企業はいつブロックチェーンを活用すべき?

企業はいつブロックチェーンを活用すべきか--できることの“現在地”を探る(前編)

呂相吾(Sun Asterisk)2019年08月06日 08時00分
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 簡単にデータが複製されるインターネット上で「価値を保存できる」という次世代の技術として、盛んに聞かれるようになった「ブロックチェーン」。その活用例として代表的なものに仮想通貨があります。通貨の高騰から日本を含む世界中でブームになり、一気にブロックチェーンの認知は拡大するも、さまざまなトラブルが発生してしまい、その期待値を下げることとなってしまいました。一方で、ブロックチェーンを活用した新たなサービスが着実に増えてきているのも事実です。

 この状況の中で、企業は今からブロックチェーンに“張る”べきなのでしょうか。ブロックチェーンの議論がやまない中で、技術自体は着々と進化しています。たとえば、代名詞と言える「分散型ネットワーク」は、より柔軟な形で導入が進んでいます。ブロックチェーンの“現在地”について解説します。

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過熱のピークは超えても、サービスは着々と増加

 4月ごろ、「ブロックチェーンへの期待は幻滅期に入りつつある」という調査結果が発表されました。ガードナージャパンによると、国内企業のブロックチェーンを理解している経営層の割合は昨年よりダウンし、期待のピーク期を超えたとのことです。

 確かに、仮想通貨やそれを使った「ICO」という企業の資金調達方法が現れ、これらの基盤技術であるブロックチェーンは注目を集めましたが、そのブームも一段落した印象です。

 一方で、その可能性を評価する人が多いのも確かです。同調査では、65%の企業がブロックチェーンの将来に期待している主旨の回答をしたとのこと。さらに、矢野経済研究所のレポートでは、国内ブロックチェーン活用サービスの市場規模が、昨年対比100%以上の成長で、2019年は171億円に達する見込みであるという調査結果も発表されました。これは、ブロックチェーンの活用方法が徐々に明確化し、それを使ったサービスも着実に増えてきていることの裏付けだと言えます。

 すでに登場しているサービスとしては、写真用品メーカーのコダック(イーストマン・コダック)は、ブロックチェーンを活用したデジタル画像の著作権管理サービス「KODAKOne」を発表しました。また、人気アニメ「進撃の巨人」のアートワークのデジタル所有権をブロックチェーンで管理し、オーナーであることが証明できるほか、売却後もオーナーだった履歴が記録され続けるサービスも登場しています。

ブロックチェーンの特徴とは

 ここで改めて、ブロックチェーンの強みや特徴を整理します。

 これまでのウェブシステム、いわゆる、中央集権的なシステムの場合、どの画像データがオリジナルであり、誰がオリジナルを持っているかなどのトラッキングが難しく、信頼度が低い状況でした。なぜなら、データを管理する項目にオリジナルの刻印を刻むことはできても、これを担保することができなかったからです。

 概要を説明すると、まず、自社システム内でデータを扱う場合には刻印を管理するDBを構築すれば対応できますが、自社の外にデータを動かした場合、受け渡し先も同様に管理できるとは限らないからです。さらに、データを管理する会社によるデータの書き換えなどの可能性も考えられます。

 ブロックチェーンとは、デジタル上の取引を記録する台帳技術です。それも、すべての履歴を確実に記録し、公開できる(公平さを保てる)ところに価値があります。つまり、ブロックチェーンによるオープンなデータ管理プラットフォームを構築すれば、画像に「001」などのユニークな刻印を押せて、それ以降は誰が手を加えたか、誰が取引したかを記録。どれがオリジナルかも判別できますし、いつ誰が使ったのかもわかるようになります。なぜなら、データの生成、変更などは、プラットフォームを構築するステークホルダーの合意形成をもとに行うからです。

ブロックチェーンが新たな収益源になる形とは

 「KODAKOne」は、写真家が作品を登録することで著作権を適切に守り、これまでウェブ上で無断使用されていた写真の使用料を適切に得られるとしています。「進撃の巨人」については、同作のアートワーク26点について、デジタル上の所有権を販売。所有権の購入者は、作品を他の人に売ることが可能ですが、その際にブロックチェーン技術により、歴代オーナーの名前が記録され続けていきます。

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