2018年11月の「前代未聞の」世界一斉ストライキの主導者の1人だったGoogleのAI研究者であるMeredith Whittaker氏が、同社を退職した。これを報じたBloombergの記事が事実であることを、Googleが電子メールで認めた。6月には、同氏とともにストライキを主導したClaire Stapleton氏も退職している。両氏はストライキに関与したことで、Googleによる報復を受けたと報じられていた。
2018年のストライキには世界中で2万人のGoogle従業員が参加し、特に上級幹部を相手取ったセクハラの申し立てに対するGoogleの対応に抗議した。
「今日は@mer__edithのGoogleでの最終日だ。Googleの内部告発者と報復被害者としての彼女の経験からは、否定的な批判に対するAI関連組織の対応について良い兆候を見出すことはできない。#NotOkGoogle」と、GoogleのソフトウェアエンジニアであるChris Lu氏は15日にツイートした。
Mediumに掲載されたWhittaker氏の社内向け挨拶には、この状況は「非現実的」だと記されていた。
「私が退職する理由は謎ではない。私はAI Now Institute、AI倫理に関する取り組み、そして責任あるハイテク業界の形成に情熱を注いできたが、Googleは私がこの取り組みを続けられる場所ではなかった」と同氏は記している。「この取り組みは急務であるため、それは受け入れがたいことだった」(Whittaker氏)
Whittaker氏は、AI分野で蓄積してきた莫大な能力をGoogleがどのように利用するかは、「現代において最優先すべき社会的、政治的(そしてもちろん技術的)な問題の1つ」だとした。
「そうした問題に対処し、AIを責任ある安全なものにするには、技術の開発方法とハイテク企業の運営方法に対する抜本的な構造的変化が必要だ」と同氏は記している。同氏はその変化として、労働組合の結成、内部告発者や実直な反対者の保護、自分の取り組みとその利用方法について知る権利の要求、企業の枠を超えた人々の間の結束の構築などを挙げた。
Whittaker氏は、GoogleのOpen Researchプログラムを統括し、ニューヨーク大学のAI Now Instituteを共同設立した。同氏は3月、委員の1人をめぐる批判を受けてGoogleが倫理諮問委員会を解散した後に、AI Now Instituteでの仕事を辞めることを同社に求められたと主張していた。
Googleはコメントを控えた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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