Bill Gates氏とSteve Jobs氏の間には、長くて複雑な関係と対抗意識があり、険悪な仲になることもあった。しかし、米国時間7月7日、63歳のGates氏は、2011年に膵臓(すいぞう)がんで亡くなったAppleの元最高経営責任者(CEO)のJobs氏について、称賛するような言葉を多く並べた。
Gates氏は、7日に放送されたテレビ番組「Fareed Zakaria GPS」に出演した。この回のテーマはリーダーシップだ。CNNでこの番組のホストを務めるZakaria氏は、Jobs氏の経営スタイルについてGates氏に尋ね、Jobs氏が会社経営に関するほぼすべてのルールを破ったことを指摘した。
Gates氏は、「Steveは『これを家でやってはいけない』というフレーズの格好の例だ」と笑いながら語った。
Gates氏は、Jobs氏のキャリアの「悪い部分」を思い出すのは簡単だと述べた。Gates氏によると、Jobs氏は「最低な奴」になることもあったが、またと出会えないような真似のできない資質を備えていたという。
「Steveは非常に特殊なケースだ。Appleは実際に倒産に向かって進んでいたが、本当に驚くべきいくつかの製品で、世界で最も価値のある企業になった」とGates氏は話した。「そんな話は、今後もそれほど多くないだろう」(Gates氏)
Gates氏は現在で、Bill and Melinda Gates Foundationを通して多くの時間を慈善活動に費やしている。同氏は、より適切な判断に反する形で人々に影響を及ぼすことの多かったJobs氏のよく知られた能力について、特別に言及した。
「私は二流の魔法使いのようだった。彼が魔法をかけると、人々は魅了されてしまったからだ」とGates氏は述べた。「私は二流の魔法使いなので、それらの魔法にはかからない。私は魔法をかけることはできなかったが、魔法を目の当たりにすると、『やめろ!』と言っていた」
Gates氏は、Jobs氏がAppleを離れていたときに創設したNeXTに言及した。教育機関や専門家向けをターゲットとしたワークステーションは画期的なコンピューターだったが、1988年に6500ドル(2019年の物価に換算すると1万3000ドル以上)と高額だった。
Gates氏は、「彼がNeXTを発表したとき」を振り返り、「それは非常にナンセンスだった。それでも人々を魅了した。私は、『ちょっと待ってほしい。そんな魔法が人々を惑わせてはいけない』と感じた」と話した。
Appleでは、従業員はJobs氏の「魔法をかける」能力を説明するのに、「スタートレック」の用語を借りた。彼らはその能力を現実歪曲空間と呼んだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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