サイバーエージェント子会社で小学生向けプログラミング教室「Tech Kids School(テックキッズスクール)」を運営するCA Tech Kidsは、6月29〜30日の2日間にわたり「Nintendo Labo Hackathon 2019--VRゲームを開発せよ」と題するハッカソンを、Abema Towersで開催した。
このイベントは、Tech Kids Schoolの生徒を対象に希望者を集って実施されたもの。参加者は、希望者80名の中から抽選を通過した小学4〜6年生までの19名。
任天堂とCA Tech Kidsのコラボイベントは、今回で3回目。初回は2015年11月に開かれた「ゲームクリエイター講座 with SUPER MARIO MAKER」、2回目は2018年7月に開催された「Tech Kids School presents Nintendo Labo Hackathon」だ。今回は、2019年4月に発売された「Nintendo Labo: VR Kit」を使って、2日間にわたりVRゲームを開発した。
Nintendo Labo: VR Kitは、家庭用ゲーム機「Nintendo Switch」と組み合わせて遊ぶ工作キットだ。段ボール素材の「VRゴーグルToy-Con(トイコン)」をNintendo Switchに合体させることで、手軽にVR体験を楽しむことができる。プログラミングは「Toy-ConガレージVR」という簡易プログラミング環境によって行う。Toy-ConガレージVRは、オブジェクトと動作をつないでいくだけで、2Dまたは3Dのゲームを作成できる。
1日目は、CA Tech Kidsが作成したテキストにそってNintendo Labo: VR Kitを体験し、基礎を学んだ。生徒たちは普段スクールでScratchやUnity、C#、Swiftなどのプログラミングを学んでおり、乱数や条件分岐などの基礎知識がある。2時間ほどでテキストの内容をクリアし、午後は自分が作成するゲームのプランを考え、生徒によってはプログラミングも始めた。
そして、2日目は本格的にプログラミングをする。担当者のCA Tech Kids桑野悠一郎氏によると、「Toy-ConガレージVRのUIが子ども向きに作られており、非常にわかりやすかったため、開発スピードも理解も早かった」とのこと。作成時間は前日含め4時間ほど用意されていたが、想定より早く完成した生徒が多かったという。
生徒たちが作った作品は、鉄球のついた車でいろいろなものを壊す「ぼうそう!鉄球カー」や、360度楽しめる「的当てゲーム」、左右のコントローラーを使った対戦型ゲーム「人VS人」など。エフェクトや障害物、重量など、VRならではの要素を盛り込んだ点をアピールしながら、自分たちの作ったゲームをプレゼンテーションし、その後は仲間たちが作ったゲームをお互いに楽しんだ。
イベントの最後に桑野氏が生徒に感想を求めると、「VR Kitを使うと、普段のプログラミングよりも簡単に面白い作品ができる」「こんなに簡単にゲームが作れてびっくりした」などの声が挙がった。
イベントを担当した桑野氏は、「Nintendo Labo: VR Kitを使うと、普段学んでいるプログラミング言語よりも簡単に、しかもより面白い作品が作れる。ここまでのクオリティのものは、彼らが普段学んでいるプログラミング言語では作れない。生徒は将来的にどんなものが作れるようになるのか、今のままだと見えていない。しかし、こういう機会を持つことで、プログラミングを学んでいくと作れるようになるものを擬似的に体験できる。プログラミングへの学習意欲が高まる」と思いを語った。
また、イベントを振り返り、「今回は圧倒的に生徒たちの集中力が違った。作れるものがとてもリッチなので、ずっと楽しんでいた。人を楽しませることを意識したゲームを作っている生徒が多かったことも印象的だった」と感想を述べた。
今後、同様の取り組みの予定はないが、今夏ワークショップ「Tech Kids CAMP Summer 2019」において、Nintendo Labo: VR Kitを用いた講座を実施する予定だという。
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