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再配達減少を阻む「大型」「2個目」--パナソニックが3度の実証実験、OKIPPAと連携も

加納恵 (編集部)2019年06月24日 19時22分
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 パナソニックが、宅配ボックスによる再配達の減少に取り組んでいる。2018年12月から2019年1月まで、東京都世田谷区で第3回目となる実証実験を実施。対象家庭に宅配ボックスを設置し、再配達待ちによる拘束時間や、受け取りに関するストレスの低減に取り組み、6月24日、その結果を発表した。

宅配ボックス「COMBO」
宅配ボックス「COMBO」

 パナソニックでは、2016年に宅配ボックスの実証実験を開始。第1弾は、共働き率日本一の福井県あわら市、第2弾は学生が集中する京都市で実施。第3弾は都内の人口増加率No.1の東京都世田谷区で行った。

 世田谷区内の共働き、子育て世帯に50台の戸建用宅配ボックスを専用取り付け金具で設置。週2~4個以上、宅配便を受け取っている、小学生以下の子どもがいる世帯を対象にした。パナソニック ライフソリューションズ社が主催したほか、特定非営利活動法人せたがや子育てネット、世田谷区、アマゾンジャパンが、モニター募集や告知などに協力したという。

 実証実験では、運送業者と非対面での受け取りを50%にすること、年間約72時間とされる再配達による待ち時間を10時間に減らすこと、という2つの目標を設定した。宅配ボックス設置後は、非対面での受け取り率が30%になり、対面での受け取りが66%から56%に、再配達が34%から14%に減少したという。

 非対面での受け取りは、不在時のほか在宅時にも利用されており「子どもをお風呂にいれたり、寝かしつけたりしている時は、在宅時でも受け取りが難しい」という声もあったという。

 一方、再配達による待ち時間は72時間から39時間の削減に成功。これは再配達1回を2時間と仮定して割り出したもの。総配達個数は設置前の412個に比べ、553個に増えているものの、再配達率と再配達回数の減少により、待ち時間が削減された。

 宅配ボックスを設置した上でも再配達になってしまった荷物は14%あり、このうち約3割が「荷物が大きくて入らなかった」とのこと。内訳はおむつ、ベビーゲート、組み立て式のラック・家具、衣類の通販など。それ以外の理由としては、「生もの・クール便」「宅配ボックスがいっぱいだった」などとしている。パナソニック ライフソリューションズ社 ハウジングシステム事業部外廻りシステムBU 外廻り設備商品担当部長の中島裕章氏は「実証実験を実施した12~1月は、ふるさと納税の返礼品が増えたことが原因と想定している」と時期的な要因があったことについても触れた。


 今回の実証実験を通じて、不在時の受け取りストレスについては「かなり軽減された」(71%)、「やや軽減された」(29%)と100%がストレスの軽減を体感しており、目標の90%を上回った。また、在宅時の受け取りストレスについても「かなり軽減された」(31%)、「やや軽減された」(41%)となり、72%がストレスの軽減を感じる結果に結びついた。

 中島氏は「宅配ボックス、不在時こそ威力を発揮する印象が強かったが、使用する人にしてみれば、在宅時でも、受け取りに出られない事情もある。このストレスを宅配ボックスが軽減してくれる」と、在宅時にも活躍することがわかったという。

 これを受け、宅配便の受け取り方に関する追加アンケートを実施。ネット調査では61%、世田谷区のモニターでは95%が「受け取れれば手渡しでなくても良い」と回答し、非対面で受け取りたいというニーズが高いことがわかった。


 パナソニックでは、在宅での宅配ボックス利用促進を啓発するため、宅配ボックス共通のアイコンを制作し、認知度向上を目指す考え。7月1日生産分の戸建住宅用宅配ボックス「COMBO」全商品と「コンボ メゾン コンパクト」にアイコンをデザインしたアルミシールを同梱する。また宅配ボックス設置済みの人にもキャンペーンサイトから無償で提供するとしている。

在宅での宅配ボックス利用促進を啓発するアイコン
在宅での宅配ボックス利用促進を啓発するアイコン

 あわせて、簡易宅配ボックス「OKIPPA」(本体税別価格:3685円)を提供するYperとの取り組みも開始。宅配ボックス「COMBO-Maison コンパクト」をOKIPPAと接続し、COMBOに収まらないサイズの宅配物は、OKIPPAで受け取れる仕組み。OKIPPAは、撥水加工を施したポリエステル製の置き配バッグで、57リットルまでの大容量に対応。専用ロックで届いた荷物を保護できる。

 Yper 代表取締役の内山智晴氏は「小型品の受け取りはCOMBO、大型品はOKIPPAと受け取り方法を選べ、2個目の荷物の受け取りも可能になる。再配達をより削減できる」とコメントした。

 中島氏は「宅配ボックスの普及を通じて、働きやすい社会の実現に向け、物流、労働、環境課題に取り組んでいく。社会のお役に立つインフラを作り上げたい」とした。

簡易宅配ボックス「OKIPPA」と宅配ボックス「COMBO-Maison コンパクト」の連携
簡易宅配ボックス「OKIPPA」と宅配ボックス「COMBO-Maison コンパクト」の連携
パナソニック ライフソリューションズ社 ハウジングシステム事業部外廻りシステムBU 外廻り設備商品担当部長の中島裕章氏(右)、Yper 代表取締役の内山智晴氏(左)
パナソニック ライフソリューションズ社 ハウジングシステム事業部外廻りシステムBU 外廻り設備商品担当部長の中島裕章氏(右)、Yper 代表取締役の内山智晴氏(左)

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