大手テクノロジー企業の分割を求める声が高まる中で、Googleの最高経営責任者(CEO)であるSundar Pichai氏は、調査するのは妥当だが、テクノロジーを「規制のため」だけに規制してしまうと、さまざまな問題が引き起こされる可能性があると述べた。
Pichai氏は米国時間6月14日に掲載されたインタビューでCNNのPoppy Harlow氏に対して、「テクノロジーを規制のために規制した場合、多くの意図しない影響が生じるのではないかと心配している。例えば、人工知能のようなテクノロジーは私たちの国家安全保障や、社会の他の重要な分野に影響を及ぼす」と述べた。
Pichai氏のコメントは、Googleを含むテクノロジー企業各社が米国の議員や規制当局による新たな調査に直面する中で発せられたものだ。報道によると、米連邦取引委員会(FTC)と米司法省は2週間前、新たな合意に達したという。そして、FTCがAmazonとFacebookを精査する権限を獲得し、米司法省はAppleとGoogleを調査することになったという。この取り決めは、反競争的な可能性がある慣行に対するこれら当局の調査における初期の一歩とみなされている。州の検事総長も、大手テクノロジー企業を調査する準備を進めている。
民主党の大統領候補であるElizabeth Warren上院議員は、AppleとAmazon、Google、Facebookがあまりにも強力になったために競争と技術革新が抑圧されていると主張し、これらの企業の分割を求めている。同議員はテクノロジー業界の中心地であるサンフランシスコに、「Break Up Big Tech」(大手テクノロジー企業を分割せよ)と書かれた広告板を設置した。
同議員が大手テクノロジー企業の分割を求めていることについて尋ねられたPichai氏は、業界を規制する方法についての「健全で思慮深い話し合い」が必要であると述べた。
「世界中には、次のシリコンバレーになりたいと願う国がいくつもある。それらの国も自国の企業を支持している。したがって、われわれは両方のバランスをとる必要がある。大企業を調査すべきではない、と言っているわけではない。しかし、そのことと、成功した大企業が求められているということの間でバランスをとらなければならない」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」