Uberの取締役の1人であるRyan Graves氏が退任する。上場から2週間というタイミングで明らかになった。
Graves氏は、Uberがシリコンバレーで創業後、従業員がわずか数人だった時期の最初の従業員だ。同氏はUberですぐに出世の階段を上り、2010年には同社初の最高経営責任者(CEO)を務めた。Graves氏は、配車サービス企業である同社を今日の巨大企業に築き上げる中で、重大な役割を担ったと考えられている。
現在Graves氏はUberの日常業務に携わっていないが、取締役として在籍していた。米国時間5月24日、米証券取引委員会(SEC)に提出された書類で、同氏の退任が明らかになった。
Uberの独立取締役会長であるRon Sugar氏は、提出書類の中で、「Ryanは思慮深く熱心な取締役として、Uberの価値を高め、その洞察と判断によって、当社がこの10年間で成長する中で、浮き沈みする事業の舵取りを支えてくれた」とし、「ほろ苦い時ではあるが、退任するべき時期だという彼の個人的な決断を受け入れる」と述べた。
米CNETはUberにコメントを求めたが、回答は得られていない。
Graves氏は、2010年にCEO職を共同創業者のTravis Kalanick氏に引き継いだ。グローバルオペレーション担当シニアバイスプレジデントとなり、Uberの食事宅配サービス「Uber Eats」などの取り組みに力を注いだ。2017年8月に同職を退いたが、取締役に留任していた。
Graves氏は当時の電子メールで、「Uberを築き上げてきたこの7.5年間で、さまざまなことを学んだが、その1つは、不確かさと変化を受け入れる人が、最も現実を把握しているということだ」と述べていた。
Uberは当時、苦境に立たされていた。数々のスキャンダルに見舞われ、数カ月で幹部の辞任が相次いだ。Kalanick氏もCEOを辞任した。CEOの後任探しが続く中、Graves氏もシニアバイスプレジデントを退任した。その翌月に、現CEOのDara Khosrowshahi氏の就任が決まった。
一連のスキャンダルは収束したが、Uberは株式公開企業となり、新たに不確実性のある時期を迎えている。Uberは2週間前に上場し、公開企業として波乱のスタートを切った。
Graves氏は、投資会社Saltwater Capitalの創業者であり、CEOとなっている。Uberの取締役は5月27日付けで退任する。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス