アイルランドのデータ保護監視機関は、オンライン広告を目的とするGoogleの個人データ収集について、調査を開始した。
「2018年データ保護法の第110項に従い、Google Ireland Limitedの個人データの処理について、同社のオンラインAd Exchangeとの関連で法定調査が始まった」と同国のデータ保護委員会(DPC)は現地時間5月22日の声明で述べた。
Googleにコメントを求めたが、回答は得られていない。
DPCは欧州連合(EU)内でGoogleを所管する主要機関の1つで、検索大手の同社による「広告取引の各段階で行われる個人データの処理」が、EU一般データ保護規則(GDPR)を順守しているかどうかに関心を持っている。GDPRはEU内の居住者にこれまで以上に個人データの管理権を与え、オンラインサービスのルールを明確にする目的で制定された、包括的な法律だ。
DPCの調査は、プライバシーを重視するブラウザーの開発元であるBraveが、2018年9月に行った苦情申し立てを受けたものだ。Braveは、Googleがターゲティング広告の表示に関して応札した企業に個人情報を提供しており、これがGDPRに違反していると主張している。Googleは9月の時点では、違法行為はまったくないと反論していた。
DPCの調査開始を受けて22日、Braveのポリシーおよび業界向け広報の最高責任者を務めるJohnny Ryan氏は、DPCの調査開始は情勢の変化を示すもので、その影響が及ぶ範囲はGoogleのみにとどまらないと述べた。
Ryan氏はブログで、「GDPRの下でプライバシーを守り、広告主やパブリッシャーを法的リスクから守るために、オンライン広告のあり方を改革しなければならない」と述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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