ニューヨーク在住の18歳の男性が米国時間4月22日、10億ドル(約1120億円)の賠償金を求めてAppleを提訴した。顔認証ソフトウェアによって、自分の顔が複数の店舗の窃盗事件に誤って紐づけられていたと主張している。
Ousmane Bahさんの訴状によると、Bahさんは2018年11月29日、マンハッタン、ボストン、ニュージャージー、デラウェアのApple Storeでの盗難容疑で、ニューヨーク警察に逮捕されたという。
訴状によると、実際の犯人は、2018年5月31日にボストンの店舗で1200ドル相当の商品(具体的には「Apple Pencil」)を盗んだとされている。この人物はその際に、盗んだ身分証明書を使用していた。訴状によると、その身分証明書には、BahさんのIDを名前や住所などの個人情報が記載されていたが、写真は付いていなかったという。これが実際には、Bahさんが以前なくした写真付きでない仮免許証だった可能性があると、訴状には記されている。Bahさんは、アフリカ系アメリカ人だ。
訴状では、Appleを過失、精神的苦痛、名誉棄損、詐欺的な隠蔽で訴えている。
Appleは23日、自社の店舗で顔認識技術を利用していないと述べた。
Bahさんの訴状によると、最初におかしいと思ったのは、2018年の6月にボストン地方裁判所から召喚状が届いたことだったという。Bahさんはそれまで同市に行ったことがなく、窃盗があった日はマンハッタンで高校の卒業パーティーに参加していた。
ニューヨークの米連邦地方裁判所に提出された訴状では、Appleが自社の顔認証システムでBahさんの名前を窃盗犯の顔に紐づけ、それをApple Storeでの窃盗犯の容疑者追跡に利用したと、Bahさんは主張している。それによってBahさんは、4つの州での窃盗容疑をかけられることになったと訴状は訴えている。
訴状によると、Bahさんの逮捕後にマンハッタンの店舗の監視カメラを見たニューヨーク警察の刑事は、容疑者はBahさんに「まったく似ていなかった」と証言しているという。
裁判所の文書によると、ニュージャージー以外での訴訟はすべて取り下げられたという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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