Huawei Technologies(ファーウェイ)は、子どもの視力障がいを早い段階で見つけるため、ノートPCとスマートフォンを組み合わせた「Track AI」システムの開発に取り組んでいる。専門家でないと判断が困難な視力障がいの早期発見を支援する。
子どもの視力障がいは、悪化すると全般的な発達、教育や社会参加の機会に深刻な影響を及ぼしてしまう。ただし、障がいの初期兆候を検知して早い段階から対処すれば、予防や治癒が可能な割合は高いそうだ。そこでファーウェイは、視力障がいの早期発見に人工知能(AI)システムを活用する。
視力障がいを持つ子どもは何かを見る際、特徴的な凝視パターンが現れるという。そこでまず、さまざまな視覚機能を試験できるよう設計した視覚刺激を被験者に見せ、両目の視線を2in1型ノートPC「HUAWEI MateBook E」上の「DIVE(Devices for an Integral Visual Examination)」ソフトウエアで追跡する。こうして得た凝視パターンのデータをスマートフォン「HUAWEI P30」を処理し、視力障がいの疑いがあるかどうか判定させる。
凝視パターンデータは、医療従事者でも専門家でないと意味の解釈が困難だという。ファーウェイは、AI技術を活用し、学習させて健常でない凝視パターンの発見を試みている。最終的には、生後6カ月ほどの子どもからの検査に、研修なしで使える診断補助システムとして提供したい考え。
システムは携行可能で、オフライン環境でも使用でき、データをリアルタイム受信するため、世界各地で迅速な診断に役立てられるとしている。
現在は、学習用データを中国、メキシコ、アラブ首長国連邦(UAE)、スペイン、英国で収集中。十分なデータを集めてから学習を実施し、2019年中にプロトタイプの試験運用を始め、2020年に本格展開する計画。
Track AIの紹介ビデオ(出典:ファーウェイ/YouTube)
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