Facebookはその膨大な量のユーザーデータを、他社との交渉に利用していたと報じられている。一部のパートナー企業にアクセスを許可し、競合他社や競合アプリはアクセスできないようにしていたという。
NBC Newsが米国時間4月16日に公開した詳しい記事によると、ユーザーデータを「交渉の切り札」として利用することによって、競合他社を抑制するFacebookの取り組みを、最高経営責任者(CEO)のMark Zuckerberg氏が指揮していたという。
NBCは、リークされた約4000ページに及ぶFacebookの文書を入手したとしている。ほとんどが2011〜2015年のものだ。NBC Newsによると、Facebookとアプリ開発企業Six4Threeとの訴訟に端を発したものと報じられているそれらの文書には、電子メール、チャット履歴、プレゼンテーション、スプレッドシート、ミーティング議事録などが含まれているという。一部の文書は、英議会によって、Cambridge Analyticaのデータスキャンダルの調査の一環として既に公開されていると、NBC Newsは述べている。
Facebookは、The Wall Street Journalに1月に掲載されたZuckerberg氏の論説を含めて、ユーザーのデータを販売することはしていないと、これまでに何度も述べてきた。同社は16日の声明でも、再びその主張を繰り返した。
Facebookのバイスプレジデントで次席法務顧問のPaul Grewal氏は、メールで次のように述べた。「当社が繰り返し説明してきたように、アプリ『Pikini』」の開発元であるSix4Threeは数年前から、同アプリユーザーの友達に関する情報をFacebookに共有させようとする訴訟のなかで、こうした文書から都合のいいものをつまんでいた。一連の文書は仕組まれたもので、一面しか語っておらず、重要な文脈を無視している。(中略)それでも事実は明白で、すなわち、われわれが人々のデータを売ったことは決してない、ということだ」
Facebookは、金銭的な利益のためにデータを売っていないかもしれないが、売り上げを超えたやり方で、膨大なデータを使って自社の優位性につなげてきたようだ。
NBC Newsによると、ユーザーデータへのアクセスについてサードパーティーアプリに求める対価として、Facebookは広告支出、データ共有、直接支払などいくつかの方法を検討したという。同社は、Facebookでお金を使い自らのデータも共有したアプリ開発者や、Zuckerberg氏の個人的な友人とみなされたアプリ開発者にデータを共有することを決めたと報じられている。
報道では、Facebookが競合企業に対してデータへのアクセスを制限したとされる。そうした競合には、人気上昇中で、Facebookの「Messenger」の脅威になる可能性があったアプリ「MessageMe」も含まれるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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