誰もが認める恐竜の王者であるティラノサウルス・レックス(T・レックス)は、思っていた以上に大きかった。
この事実は、1991年にカナダで初めて発見された約6600万年前のT・レックスの骨格「Scotty」に関する新たな研究に基づいている。同国のアルバータ大学の古生物学チームはScottyの頭骨、尻骨、肢骨を測定し、生息時の体重がおよそ約8800kgだったと推定した。この体重は、現存する陸生動物で最も大きいアフリカゾウ(最大のもので約12トン)に次ぐレベルだ。
「これはレックスの中のレックスだ」と、この研究の主著者のScott Persons氏は声明で述べた。
この骨格は、カナダ中西部のサスカチュワン州で砂岩に覆われたかたちで発見された。科学者らは10年かけて化石を覆う硬質の砂岩を除去し、このたびついにScottyの6600万年前のものとされる骨格を復元することができた。
この研究結果は米国時間3月21日に学術誌「The Anatomical Record」に掲載された。研究チームはScottyが「並外れて大きく」「頑強だ」と述べている。
Scottyをさらに特異な存在にするのは、これまでに骨格が発見されたT・レックスの中で最も長寿で、死亡時に30代初期だった可能性が高いという研究結果だ。骨を調べることによって、研究チームはScottyが十分に成長したT・レックスだったと決定づけた。
また、骨に乱闘の痕跡がかなり残っているという。Scottyは「凶暴だった」とPersons氏は述べた。同氏によると、骨の至る所に病変があり、傷ついた骨は大きなけがを負っていたことを示しているという。
これまでは、1990年に米サウスダコタ州で素晴らしい保存状態で発見されたT・レックスの骨「Sue」が最大とされていたが、Scottyが王座を奪うかたちとなった。Sueの体重はScottyよりも400kgほど少ないと推定されているが、Sueの骨格の残存率がおよそ90%であるため、これまでに発見されたT・レックスの中で依然として最良の保存状態とされている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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