「Zenly(ゼンリー)」というアプリが、若者たちの間で人気だ。AMFの「JC・JK流行語大賞2018」でも、アプリ編で「TikTok」「LINEのたまごっち」に続いて第3位にランクインしている。
Zenlyは、つながった友だちとお互いの位置情報を共有できるアプリだ。「ZIP!」や「さまぁ〜ずのJK-TV」など、複数のテレビ番組で紹介されて知ったという人もいるだろう。なぜ、このようなアプリが流行っているのか。アプリの機能や使われ方とともに、リスクと対策までをご紹介したい。
Zenlyアプリを開くと、地図上に友だちがアイコンで表示され、現在の居場所が確認できる。また、移動中もリアルタイムに表示される。友だちが日本中にいる子は、日本中にアイコンが表示されることになる。表示された友だちとはメッセージができる仕組みだ。
地図上の友だちが2人以上一緒にいると、炎マークが表示されるので、待ち合わせの時や合流したい時などに便利に利用できる。「LINEする前にZenlyで居場所を確認する。家にいると暇だってわかる」と、ある高校生ユーザーは言う。「アプリを見て、近くにいる子を見つけたら合流することもあるかな」。
居場所は四六時中公開しなくてもいい。居場所を公開したくない時は「ゴーストモード」にする。ゴーストモードには2種類あり、「あいまい」表示の場合は大まかな居場所が表示される。「フリーズ」表示の場合は居場所を固定表示できる。ただし、どちらも相手には「あいまい」「フリーズ」表示にしていることは伝わってしまうので、「居場所を隠されているとイラッとする」という声もある。
大人から見ると、自分の居場所を公開することは、プライバシーを公開しすぎてストレスを感じそうだ。しかし、今どきの10代はTwitterで実況したり、Instagramのストーリーズなどでリアルタイムに配信したりすることに慣れている。ストレスよりもつながれるメリットを強く感じているようだ。
ある女子高生の保護者は、娘から「ママもアプリ入れようよ。友達がZenly入れたら、親から『今どこにいるの?』って聞かれなくなって楽だって」「学校から帰ってきたら(Zenlyを見て帰宅がわかった)友だちから『おかえり』って連絡が来て楽しい」という話を聞いたという。保護者世代には理解が難しいが、子ども世代はプライバシーに対する感覚がかなり異なっているようだ。
Zenlyの使用状況についてヒアリングしてみた。先程の高校生は、自宅の場所は教えていなかったにも関わらず、友だちからいきなり「家の下にいるよ」と連絡が来たことがあるらしい。Zenlyでは数日使っていると、自動的に自宅の場所に家マークが表示されるようになるため、友だちには自宅の場所が筒抜けとなるのだ。
またある大学生は、学校の友だちとZenlyでつながってしまったため、春休みになってずっと家にいると友だちがいない暇人と思われるのが嫌で、出かけるきっかけとなっているという。「バイトでも入っていたらいいけど、本当はそんなに出かけるところはない。でも“Zenly映え”的には移動が必要」。
その大学生は、友だちにLINEを送ったのに既読にならない相手をZenlyでチェックして、移動中なのになぜ返事ができないのか気になったそうだ。つい「LINEで無視してる?」と連絡をしてしまったという。InstagramやTwitterが更新されているのに、LINEに既読がつかないと色々勘ぐるという話を聞いたことがあるが、それと根っこは同じだろう。
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