インスタから紐解く、女子高生に「韓国」が人気な理由

　女子高生の間で韓国人気が高まっている。ここ数年、「Popteen」などのティーン向けファッション誌は毎月のように韓国特集をしており、オルチャンメイクの方法が紹介されていることも多い。オルチャンとは元々は“美女”という意味だが、最近では韓国風メイクを意味していることが多い。眉毛は平行眉、口紅は赤、くっきりめのアイライン、白い肌などの特徴がある。

　2018年6月のマイナビティーンズラボ調査によると、10代の85.9%となんと約9割が「自分たちの周囲で韓流文化が流行している」と回答。顔文字（ToT）を表現した「TTポーズ」が話題となった韓国で結成されたアイドルグループ「TWICE」、韓国のヒップホップアイドルグループ「BTS（防弾少年団）」などのアイドルグループが人気を集めている。そのほか、韓国コスメ、ファッション、グルメなど、女子高生の間で韓国文化が軒並み人気となっているのだ。

　なぜ、女子高生の間で韓国がブームとなっているのか。実態と背景、理由までを見ていきたい。

インスタに見る10代の韓国人気

　「韓国大好き！」と女子高生は口々に言う。女子高生の間でハングルの人気もが高まっており、「ハングルは丸くてかわいい」という。「LINE韓国語通訳」アカウントを友だち追加し、メッセージを送るとハングルに変換してくれる。これを使って、LINEのステータスメッセージやTwitterのプロフィール、ハッシュタグなどをハングルにしている子は多い。「ハングルにしていると分かる子にしか意味が伝わらないから安心」という。

　たとえば、当連載でも数回ご紹介してきた「03line」「99line」なども同様だ。「03line」は2003年生まれ、「99line」は1999年生まれを意味しており、元々は韓国における言い方だ。当初は韓国好きな子たちが使い始めた言い方だが、最近は普通の子たちも韓国と無関係に使うなど一般化している。

　Instagramのハッシュタグを見ても、「韓国」とつくものの人気は高い。「＃韓国ファッション」（169万件）、「＃韓国コスメ」（120万件）、「＃韓国カフェ」（26万7000件）、「＃韓国コーデ」（16万1000件）、「＃オルチャン」（97万8000件）、「＃オルチャンファッション」（17万9000件）など、韓国文化の人気の高さがうかがえる。

「＃オルチャンファッション」「＃韓国人になりたい」

　10代の韓国好きは文化に留まらず、「＃韓国大好き」（4万2000件）、「＃韓国好きな人と繋がりたい」（25万2000件）、「＃韓国女子」（2万3000件）、「＃韓国人になりたい」（2万件）など、韓国すべてに対する愛があふれるハッシュタグが多いのだ。

　女子高生に人気のYouTuberなどがオルチャンメイクやオルチャンファッション、グッズなどを紹介している例は多い。

“おしゃれでかわいい”韓国ブランド

　お小遣いが少ない女子高生だが、友だちと集まってはプリクラを撮る。フリューのプリクラは女子高生にとても人気が高いが、中でも人気なプリ機の一つが、「KATY サランヘ」という“韓国っぽおしゃれ”をコンセプトにしたものだ。撮影時にハングルでカウントダウン音声を流すほか、ハングルスタンプを揃えており、落書き中のBGMとして人気K-POPアーティストの曲を揃えるこだわりぶりだ。

KATY サランヘ

　なお、フリューのJK専用ウェブマガジン「HARU HARU」では、一番上が「KOREA」カテゴリとなっている。「写真・プリ」「学校・勉強」「恋愛」「エンタメ」「ファッション・ヘア」と並び、同カテゴリがあることが、女子高生における韓国人気を物語っていると言えるだろう。

HARU HARU

　ライブコマースを展開するLIVE STA.調べ（2018年9月）によると、10代の25%、20代の22%など、若者の4人に1人は韓国コスメを使用中であり、年齢が低ければ低いほど人気が高い。22%が「リップティント」、19％が「BBクリーム」や「クッションファンデ」などを利用している。ブランドとしては、「ETUDE HOUSE（エチュードハウス）」や「MISSHA（ミシャ）」などが人気のようだ。

　女子高生が休日に遊びに行く場所としても、コリアンタウン新大久保が流行中だ。お手頃な値段のオシャレな韓国のファッションブランドに身を包み、韓国コスメや韓国グルメを楽しみ、写真を撮ってInstagramに投稿するのがトレンドというわけだ。