Zenlyにはプライバシー設定もあり、「プライベートモード」をオンにすると、登録している相手以外からの友だち申請を防ぐことができる。デフォルトのままだと、友だち以外も含めた全Zenlyユーザーからメッセージが届くので注意が必要だ。
また「おすすめユーザーをオプトアウト」をオンにすると、知り合いかもしれないユーザーが表示されなくなる。オフのままだと、電話番号を登録しておりZenlyを利用しているユーザーや、友だちの友だちが表示されるようだ。友だちが無作為に知らない相手を友だち追加している場合はリスキーなので、どちらもオンにしておくのがいいのではないか。
またZenlyは、基本的に電話番号を知っている人同士でつながるサービスだが、スマホ同士を「Bump」したり、Zenly IDを知っていれば追加できてしまう。BumpはLINEの「ふるふる」のようなもので、アプリを起動してスマホ同士を振ると友だち追加できる。Zenly IDはLINE IDと同様、IDを知っていれば検索して追加できる機能だ。
TwitterでLINEの友だち追加用QRコードをさらしている子どもは多いが、見知らぬ相手に追加されると通話などもでき、個人情報が筒抜けになってしまうリスクがある。これと同様のことが、Zenlyでも起きている。
たとえばTwitterでは、Zenly IDの画像や友だちアイコンを表示させた地図画面つきで「Zenlyやりよる子交換しよっ」などと投稿しているユーザーを見かける。そのほか、「Zenly友だち募集掲示板」など、無作為に友だち追加できる掲示板があり、そちらで「神奈川です!誰でも追加まってます」などと自分のIDをさらしている子どもは多数いる。検索してみると、実際に相手の友だち追加画面となった。
Zenlyは、うまく使えば友だち同士でのリアルなコミュニケーションが楽しめるツールだ。しかし、自宅の場所や現在地が筒抜けとなってしまい、メッセージもできるため、友だち追加する相手の選択は慎重にする必要がある。子どもたちが安易にIDを公開したり、知らない相手を友だち追加しないよう、利用状況には注意しておくべきだろう。
高橋暁子
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディア等の記事の執筆、企業等のコンサルタント、講演、セミナー等を手がける。SNS等のウェブサービスや、情報リテラシー教育について詳しい。
元小学校教員。
『スマホ×ソーシャルで儲かる会社に変わる本』『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』(共に日本実業出版社)他著書多数。
近著は『ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』(幻冬舎)。
ブログ:http://akiakatsuki.hatenablog.com/
Twitter:@akiakatsuki
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