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ARで“超能力”を身につける未来--「HoloLensの父」A・キップマン氏に聞く - (page 4)

Scott Stein Ian Sherr (CNET News) 翻訳校正: 石橋啓一郎2019年03月15日 07時30分
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--今、1日にどのくらいの時間HoloLensを使っていますか?

 一言で言えば、1日数時間ですね。実際われわれは、HoloLensを使ってHoloLensを設計しています。HoloLensを装着して3Dモデルを見ると、空間や空間上にある物を直感的に理解することができるからです。しかしご覧のとおり、わたしは人と会うときにはHoloLensを着けません。また、オフィスでは、キーボードとマウスとPCモニターを使って作業をしていることも多いです。しかし、確かに1日に数時間はHoloLensを着けますし、これはチームのほとんどのメンバーも同じです。

--HoloLens 2を作るにあたって、困ったことを1つ挙げるとすれば何ですか?

 あらゆることで困りました。いつか、悩みが1つしかないときが来ればいいんですが。HoloLensを作るにあたっては、無数の奇跡が起こりました。普通なら、どんな製品でも、製品サイクルが終わるまでに奇跡が10回以上起きるようなことはありません。1つの製品を世に出すときに扱えるイノベーションや問題の数は、その程度です。例えば、このカーボンファイバーのケースは大きな問題でした。このケースは基本的に、このデバイスを快適で安定したものにするためにあります。しかし、カーボンファイバーに見えないカーボンファイバーを作ることは非常に難しいことでしたし、今でも非常に困難で、多くの問題がありました。新しい表示エンジンを作れたことも、1つの大きな奇跡でした。レンズのイノベーションや、後ろ側のベイパーチャンバー、装着システム、ヘルメットの下に付けられるようにするための、企業向けの装着システムの拡張など、数え上げれば切りがありません。

 しかも、今話したのはハードウェアのことだけです。高い歩留まり率で大規模に製造するのも大変でした。あらゆる問題があったんです。関節を認識可能なハンドトラッキングを直感的なものにすることも、眼鏡越しに視線トラッキングを利用できるようにすることも大きな課題でした。それから、どうやってこのプラットフォームをエッジとクラウドで連携させるか。「どうやったら問題を全部解決できるんだ」と言いながら、夜中まで悩んだものです。間違った判断をすれば、その判断と今後10年以上付き合って行かなければならなくなるかも知れませんから。

--すべての問題を解決できたとして、最終的なあなたの夢は何ですか?

 わたしの夢は、わたしが飛行機に乗ると、乗客が全員うちの製品を着けていることですね。もちろん、それはHoloLens 2ではないですし、次の製品でもないでしょう。しかし、最終的に、これらの製品が人間を変え、人々や企業がそれまでできなかったことを可能にし、人間が生まれつき、日常的に空間や時間を置き換えられる超能力を持っているかのような世界を作ることです。これは一生掛かる仕事ですが、わたしの人生に、ほかにやるべきことは思いつきませんね。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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