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ARで“超能力”を身につける未来--「HoloLensの父」A・キップマン氏に聞く - (page 2)

Scott Stein Ian Sherr (CNET News) 翻訳校正: 石橋啓一郎2019年03月15日 07時30分
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--KinectはXboxで一般向け製品としてスタートしました。HoloLensで再びその路線に向かうことは考えていないのですか?

 何でもそうですが、人は学習するものです。わたしは、Kinectが上げた成果を誇りに思っていますし、Kinectは世界を変えたと思っています。しかし普通の人は、リビングで立ち上がってゲームをプレイしたいとは思っていませんでした。椅子に座って楽しみたいと思っているし、手で正確に操作できるコントローラーで遊びたいんです。当時、リビングでKinectのようなデバイスを使って楽しむエンターテイメントに対する需要は見られませんでした。

 しかし、最近の「Alexa」について考えてみてください。あれがやっているのは、人間や、人間が話す言葉を認識するということです。Kinectはその多くを、2010年にすでに実現していました。つまり明らかに、人を認識し、ものを認識し、ユーザーが置かれている環境を理解するKinectのようなデバイスを、家の中で利用する余地は存在するわけです。しかしKinectは、企業が抱えている仕事ではもっと役に立つ兆候が見えています。現場にいる作業者に必要なのは、多くの場合、PCの代わりではありません。それが、「Kinect for Windows」の提供をやめた理由です。その代わりに、「Azure Kinect」をスタートさせました。これはもちろん、PCと組み合わせて使うこともできますが、IoTデバイスから直接Azureのクラウドに接続することもできます。

HoloLens 2を装着してみた
HoloLens 2を装着してみた
提供:James Martin/CNET

--今から5年後には複合現実はどうなっているでしょうか?そのとき、Microsoftはどういう役割を担っているでしょうか。

 正直に言って、5年後を予測したくはありません。言えるとすれば、この製品が使われている間のことか、それに1つか2つの分野に関してくらいでしょうか。当面の間は、成功する製品は法人向けのものだけで、主に現場の作業者が利用するシナリオだと思います。そのうちに知識労働者が利用するシナリオも出てくるでしょう。向こう2年間だけの予想ならできます。向こう2年間は、複合現実は企業でしか使われないでしょう。

--何がキラーアプリケーションになると思いますか?

 おそらく、コミュニケーションがコンピューティングの長期的なトレンドを決めることになるでしょう。これまでのことで分かったとおり、大抵の場合、物事を変えるのはコミュニケーションスタックのイノベーションです。コミュニケーションは、紙の郵便から電子メールへ、電子メールからメッセージングへ、テキストメッセージングへ、「Snapchat」へと変わってきました。HoloLensへの変化は、静止画が動画になり、そして瞬間移動になるようなものだと言っていいでしょう。HoloLensを使えば、わたしの娘がブラジル在住のいとこと遊ぶこともできます。これは瞬間移動するようなものです。私も、もうパートナーと会うために世界中を出張して回ったりする必要がなくなります。これがどんなに素晴らしいことか。この場で感じているレベルのプレゼンスを体験できるようになって、あなたがたがニューヨークとサンフランシスコから、今と同じ没入感でレドモンドにいるわたしと会えるようになることを考えてください。プレゼンスが複合現実のキラー体験がなるだろうことは簡単に想像できます。

 モニターの代わりとしては……自分がPCの前に1日何時間座っているか、考えてみてください。その時間が、没入感が高く快適なものになるかもしれません。それは確かです。しかし問題は、500ドル(約5万6000円)の30インチモニターを買う代わりに、これだけのお金を払ってHoloLensとキーボードとマウスを使う人がどれだけいるかです。おそらく多くはないでしょう。だから、HoloLensでなければできないことに力を入れているのです。それがうまく行けば、すぐにみんなが、いつでも、どこでもテクノロジを利用でき、直感的に操作できる世界になるでしょうし、モニターを使うことはなくなるでしょう。

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