英国のプライバシー監視団体Privacy Internationalは現地時間3月5日、「Android」版アプリのFacebookとのデータ共有に関して再調査を行った。その結果、いくつかの「Android」アプリがFacebookとのデータ共有を停止した一方で、今も多くのアプリが共有を続けていることが明らかになったという。
Privacy Internationalとドイツのモバイルセキュリティ企業Mobilsicherは2018年12月、それぞれが独自に発表したレポートの中で、多くの人気アプリがFacebookとユーザーデータを自動的に共有していることを明らかにした。この共有は、ユーザーがFacebookアカウントを持っていない場合や、Facebookからログアウトした場合でも行われていたという。さらにMobilsicherは、Privacy Internationalがテストしたアプリの「iOS」版についても検証を行い、大半がAndroid版と同じような動作をするとの調査結果を公開した。
Privacy Internationalの5日の発表によれば、「Yelp」「Duolingo」「Indeed」「King James Bible」などのアプリ、さらにはイスラム教徒の礼拝用の2つのアプリ(「Qibla Connect」と「Muslim Pro」)は、今もユーザーデータを同意なしに共有しているという。一方、「Spotify」「Skyscanner」「KAYAK」の3つは、アップデートが行われた結果、アプリの動作中にFacebookにアクセスすることはなくなった。
Privacy Internationalは、この問題を欧州データ保護委員会と欧州データ保護監督官に報告したことを明らかにした。さらに、同団体は、各アプリの開発元に連絡を取ったという。その結果、Duolingoは次のアップデートで、Android版アプリとiOS版アプリからFacebookのソフトウェア開発キット(SDK)の「アプリイベント」機能を削除することを約束した。
一方、Yelpは自社のAndroid版アプリが個人情報をFacebookに送信しているとするPrivacy Internationalの主張を否定した。
Facebookのデータに関するポリシーには、同社のSDKおよびAPIを利用するサードパーティ製アプリから情報を収集できるとの記述がある。SDKはアプリに組み込まれ、分析やFacebookアカウントでアプリにログインする機能などの提供に使われている。
問題となっているほかのアプリの開発元にもコメントを求めたが、ただちに回答を得られていない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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