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変えたのは住宅ローンの最適化と働き方--iYellが極めた「日本一ちょうどいいベンチャー企業」

加納恵 (編集部)2019年03月12日 08時30分
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 iYell(イエール)は、「住宅ローンに日本一詳しい人間」窪田光洋氏が立ち上げた住宅ローンテックカンパニーだ。住宅ローンに関する課題をテクノロジーで解決することを目的に、2016年に起業。現在、個人向け、金融機関向け、不動産会社向けの住宅ローン事業を展開する。

 「不動産テックは日本が誇る産業の1つになり、海外でも戦えるマーケットになる」と日本における不動産テックの未来を話す窪田氏に、住宅ローンが抱える課題とiYellが取り組む業務改善の方法、また起業から3年を経て、退職がほぼゼロというある意味「ホワイト企業」を実現した背景まで、代表取締役社長兼CEOの窪田光洋氏に聞いた。

iYell 代表取締役社長兼CEOの窪田光洋氏
iYell 代表取締役社長兼CEOの窪田光洋氏

“住宅ローン疲れ”をなくし、最適な形を提案したい

――iYell立ち上げの経緯を教えてください。

 以前は住宅ローン専門金融機関の「アルヒ」に勤めていました。通常、金融機関で働くと、商品組成の企画、開発や債権管理など、それぞれが独立した専門職になっており、業務を踏み越えて仕事をすることはありませんが、アルヒは住宅ローン専門のため、複数の業務をまたいで仕事をすることが当たり前で、住宅ローンに関するあらゆる業務を経験しました。

 実は独立直後は、個人的に住宅ローンに関する講演をしたり、雑誌の取材を受けたりしていましたが、会社化はしていなかったんですね。そうした活動を続ける中、ふと考えてみると、住宅ローンはずいぶんと非効率だなと気づいたんです。

 アルヒは、IT投資にも積極的で、住宅ローンの業務を徹底的に効率化していましたが、それ以外の金融機関では、何十枚もの紙に署名、捺印が必要になるなど紙文化のまま。顧客のデータベースも紙で保有していたりと、デジタル化が進んでいませんでした。ここを変えたいという思いからスタートしたのが、iYellです。

――デジタル化されていないことが住宅ローン業界における最大課題でしたか。

 デジタル化されていないがために、個人のお客様や金融機関、不動産会社の担当者が苦しんでいることが課題だと感じました。例えば、住宅ローンを借りるためには源泉徴収票や課税証明書など、何枚もの書類が必要になります。個人のお客様だけでは、書類の内容もわからないし、集めきれない。現時点ではその部分を不動産会社が肩代わりして、なんとか住宅ローンを借りられるゴールまで導いています。

 この作業がとにかく大変で、途中で嫌になってしまう人も多い。場合によっては“住宅ローン疲れ”が生じて、家を買わないという結論に至る人もいます。

 一方で、住宅ローンを提供する金融機関側にも課題は多いです。金利の低い住宅ローンは、銀行にとって利益は出にくいが、手間はかかる。それなりに人手も必要になるし、やりにくい商品の1つです。しかし、地方銀行にとっては、地域の住宅普及のためになくてはならないもの。銀行が住宅ローンの取り扱いをやめれば、そのまま地方の住宅の供給がストップします。

 関わる多くの人が苦しいと感じている住宅ローンだからこそ、借りやすく、借りられやすい世界を提供したいと考えました。

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