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変えたのは住宅ローンの最適化と働き方--iYellが極めた「日本一ちょうどいいベンチャー企業」 - (page 3)

加納恵 (編集部)2019年03月12日 08時30分
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設立から3年、退職者が出ない理由は“人柄重視”の採用

――現在社員は何名くらいいらっしゃいますか。

  約100名です。実は2019年の1月まで、1人も退職者が出ず、GPTWが実施する2019年版日本における「働きがいのある会社」ランキング小規模部門5位に選出されました。

――不動産業界の人事面から見ると、信じられない離職率の低さですね。採用はどうやって進めていますか。

 社員の60%がリファラル採用です。起業時は15人くらいからスタートしたのですが、その全員が知り合いで、さらにその知り合いを呼んでという形で広がってきました。面接では、経歴や業績を聞かず、人柄重視で採用しています。例えば、住宅ローンテックに興味を持っていても、会社の体質に合わないなと思ったら、お引取りいただいています。実際、来年にはまったく違う事業を始めるかも知れないですし、何をやるのかではなく、誰とやるかを大事にしています。

「何をやるのかではなく、誰とやるかを大事にしています」
「何をやるのかではなく、誰とやるかを大事にしています」
――働きやすい環境作りのため、どんな取り組みをしていますか。

 「日本一ちょうどいいベンチャー企業」を掲げ、働きやすさと働きがいを”ちょうどよく”保ち続ける環境作りを推進しています。具体的には、ビジョンを達成するための共通の価値観、18個のバリューを社員全員で作成し、バリューを浸透させるための取り組みを行っています。逆に言えば、この18個のバリューにそぐわない人は、どれだけ仕事ができても、お断りしています。

 あとは、積極的に社員とコミュニケーションをとっています。全社員とランチを順番に行っているほか、ディナーする機会も設けています。社員同士の飲み会も会社が全額負担したり、社員同士のコミュニケーションが活性化するように努めています。

――実務ベースで試みていることは。

 「社内異動制度」を実施していて、希望があれば100%叶えます。今まで15人ほどから希望があり、実際異動した部署には欠員補充をして対応しました。この制度のメリットは、やりたい仕事ができるので、パフォーマンスが上がることです。

 もう1つは「副グループ長制度」で、手を挙げた人が副グループ長になれるという制度です。挙手した人は半年間グループ長になる研修を受け、その中からグループ長を選出します。副グループ長になる時に、挙手制を採用しているのと、半年間の研修期間を設けることで、社内の合意形成がなされ、公平性の高いキャリアアップになっていると思います。

――不動産業界も他業界同様に人手不足が懸念されていますが、人員の確保はいかがですか。

 2019年度は8人の新卒入社が決まっていて、2020年度もすでに4人の採用が決まっています。

――人材面からもかなりの成長が見込まれると思います。今後の展開を教えてください。

 2019年末には、米国に拠点を構える計画で、2021年には社員を300人程度増やします。日本の不動産テックは、日本が誇る産業の1つになり、海外でも戦えるマーケットになると思っていて、その理由は日本は大手企業が不動産テックに取り組んでいるから。投資という側面から見たときは、企業ベースのほうが投資がしやすいと思っています。

 またフィンテックほど米国との差は開いていないと思っていて、個人的には米国が10だとしたら、日本は8~9くらいの達成度を実現できていて、ならば、トップを取るために戦いにいったほうが面白いと思っています。

 事業領域としては、ファイナンスは今の事業と相性といいなと思っていて、住宅ローンテックで培ったノウハウをいかして、審査のロジックやレコメンデーションができると考えています。このノウハウを横展開するとオートローンの審査などにも使える。こう考えるとファイナンスの軸で、会社の支援などもできるのではと考えています。

インタビュアー

赤木正幸

リマールエステート 代表取締役社長CEO

森ビルJリートの投資開発部長として不動産売買とIR業務を統括するとともに、地方拠点Jリートの上場に参画。太陽光パネルメーカーCFO、三菱商事合弁の太陽光ファンド運用会社CEOを歴任。クロージング実績は不動産や太陽光等にて3500億円以上。2016年に不動産テックに関するシステム開発やコンサル事業等を行なうリマールエステートを起業。日本初の不動産テック業界マップを発表するとともに、不動産テックに関するセミナー等を開催するほか、不動産会社やIT企業に対してコンサルティングを実施。自社においても不動産売買支援クラウド「キマール」を展開。2018年、不動産テック協会の代表理事に就任。早稲田大学法学部を卒業後、政治学修士、経営学修士を取得。コロンビア大学院(CIPA)、ニューヨーク大学院(NYUW)にて客員研究員を歴任。 

 

川戸温志

NTTデータ経営研究所 シニアマネージャー

大手システムインテグレーターを経て、2008年より現職。経営学修士(専門職)。IT業界の経験に裏打ちされた視点と、経営の視点の両面から、ITやテクロノジーを軸とした中長期の成長戦略立案・事業戦略立案や新規ビジネス開発、アライアンス支援を得意とする。金融・通信・不動産・物流・エネルギー・ホテルなどの幅広い業界を守備範囲とし、近年は特に不動産テック等のTech系ビジネスやビッグデータ、AI、ロボットなど最新テクノロジー分野に関わるテーマを中心に手掛ける。2018年より一般社団法人不動産テック協会の顧問も務める。

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