25日には、SprintのCEOであるMichel Combes氏が最初の5Gネットワークを計画していると発表したが、「最初の5G」の定義を変えてのものだった。
「米国ではわれわれが初めて、現実的な通信エリア、現実的なデバイス、現実的な提案によって現実的なモバイル5Gを開始する」と、Combes氏はMWCの記者会見で語った。
同社は2019年中盤までに、9都市のべ約2600平方キロメートルの通信エリアをカバーすると約束している。他の通信事業者から、通信エリアの具体的な数字は公表されていない。
欧州はある程度まで追いついてきた段階だが、過去12カ月間にはEEとVodafoneがともに自社の5G性能を実証する取り組みを強化している。MWC開催の直前、Vodafoneは実働の5Gネットワークへの最初のスマートフォン接続を発表。また、それに先立つ12月にはEEも、2019年に英国の16都市で5Gを開始すると、ハワイで開催されたQualcommのサミットで発表している。
通信事業者についてひとつ言えるのは、各社とも5Gの勢いを作り出し、適切なインフラを設置することに貢献してきたということだ。つまり、5Gは業界が当初予測していたより早く、4Gのときよりも短期間で実現することになる。私たち全員にとってはありがたいことだが、特定のネットワークが際立つ可能性は低い。各社とも、国際的なステージで覇を争ってはいても、ほとんどが国内企業だというのが大きい理由だ。
「5Gの展開に注目が集まりすぎていて、明らかな勝者が分かりにくくなる」(Gillett氏)
今回のMWCで、5Gをめぐる勝者と言えるとすれば、それは半導体メーカーのQualcommだろう。出展されたどの5G端末にもその技術が採用されており、世界各国の通信事業者とも提携している。26日に開かれたレセプションで、同社は端末メーカー、通信事業者、インフラ協力パートナーなど各社を壇上に招いてシャンパンの乾杯を交わしている。大盛況だった。
「Qualcommは携帯モデムでも組み込みチップでも有利な立場にあり、5G時代に入ってもそれが強みになるだろう」と、ForresterのGillett氏は予測している。ただし、サムスンとファーウェイは独自のチップも持っており、Qualcommと競うのは困難だが不可能ではない、とも付け加えている。
Qualcommの側は、5Gパートナーのいずれか1社と特に強い関係にあるわけではない。「過去1年半の間、パートナー各社が発表した個々の内容が、どれもうれしいものだった」と、同社の欧州事業開発担当ディレクターBen Timmons氏は、MWCの前にロンドンで開かれたブリーフィングで語った。また、4Gから5Gへの移行に伴ってさまざまな有力企業が出てくるが、それには時間もかかるとして、さらにこう続けている。
「重要なのは、特定の何月何日に開始するというようなことではなく、その技術を活用するために何をするかということだ」。5G時代の勝者がいるとすれば、それはいち早く先んじた企業とは限らない。5Gを最大限に活用するために「想像力を働かせて」動いた企業が勝利するのだ、と同氏は話す。
「これから確実に変化が生じるだろうが、それがどのようなものになるかは分からない」(Timmons氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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