パナソニックのデザイナーが考えた未来の暮らしが東京都港区の「SHARE GREEN MINAMI AOYAMA」が公開されている。手がけたのは、アプライアンス社デザインセンターの中で、事業部にとらわれない新領域の先行開発を手がける「FUTURE LIFE FACTORY」のメンバーを中心としたデザインチーム。「EXPANDED SMALL-豊かさを拡げる2030年のくらし展-」として、3月5日まで開催する。
パナソニックアプライアンス社のデザインセンターは、ヘッドクオーターの京都をはじめ、東京、上海、クアラルンプール、ロンドンと5つの拠点を構える。東京は、事業部が持つ事業領域ではカバーしきれない新領域の価値や未来のくらしを見据えた取り組みを、先行的に扱いデザインしているチーム。FUTURE LIFE FACTORYとして、ファッションの視点から家電を再定義しパリ・コレクションに出展したほか、2018年には頭部に装着することで集中力を高められる「WEAR SPACE」を開発。クラウドファンディングを実施し、目標金額を達成した。
EXPANDED SMALL-豊かさを拡げる2030年のくらし展-は、2030年に向けて、人々の変わり続ける価値観に応える豊かなくらしとは何かをテーマに、パナソニックのデザイナーが集まり、新たなライフスタイルの提案に挑戦。アプライアンス社のデザイナーが中心となっているが、家電、住宅、B2Bソリューション、車載など、多岐に渡る事業領域の若手デザイナーが参加しており、「オールパナソニック」の視点で生み出された。
会場では、豊かさや楽しさが拡がる新たなくらしのコンセプト「EXPANDED SMALL」を紹介。コンパクトでフレキシブルな住空間「EXSMALL」のプロトタイプと、EXSMALLでのくらしを補完し、新たなコミュニティを形成するシェアスペース「VILLAGE」を、屋内の「ZONE1」と屋外の「ZONE2」を使って表現する。
EXSMALLは、最低限必要な機能が備わった、四畳半の小さな動く住まい。ミニバンのようなクルマの形をしており、その中にベッド、シャワー、クローゼットなどの住宅設備を備え、”移動できる住宅”のイメージだ。車内には、美しい情景を映し出す「電化窓」や服選びからケアまでできる「アウトソースクローゼット」など、未来の暮らしをイメージしたコンセプトモデルを設置している。
VILLAGEには、折り畳めるモバイル休憩所「オリガミタイニー」やサントリーとのコラボレーションによるオリジナルドリンク販売所「出張南アルプスVILLAGE byサントリー天然水」などを展示。屋外の開放的な空間で、未来の暮らしを体験できる。
会期中は、毎日15時より、FUTURE LIFE FACTORYのメンバーがEXPANDED SMALLのコンセプトを直接プレゼンするデザイナーズトークを開催。3月2日、18時~は、佐別当隆志氏、佐々木俊尚氏などを迎え、「2030年のくらしサミット - 未来の住まい方と、家のカタチ -」を実施する。
パナソニック デザイン統括部主幹の長谷川錦哉氏は「生活の豊かさやあこがれはどんどん変わる。プロダクトそのものだけではなく、住空間やコミュニティまでを考えながら、新たなものを生み出さなければいけない時代になっている。今回の豊かさを拡げる2030年のくらし展は、デザイナーが一年半かけてたどり着いた仮説と結論」とコメント。パナソニック アプライアンス社デザインセンターFUTURE LIFE FACTORYの⾜⽴昭博氏は「未来を見据える視点を2〜3年先ではなくて、10年後など大きく先に飛ばすことで、今顕在化していない兆しを見つけられる。デザイナーが持つ具現化能力を使って、顧客視点で価値をビジュアライズした」と話した。
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