LIXIL(リクシル)が、玄関ドアやシャッターのIoT化を加速させている。2月27日、「IoTスマートハウス」時代を見据えた、新玄関ドア「玄関ドアDA」「玄関ドアDA防火戸」と新窓シャッター「スマート電動」「電動」をTOSTEM(トステム)ブランドから発表。いずれもスマートフォンと連携し、スマートな施解錠や開閉に対応する。
リクシル 常務役員 LIXIL Housing Technology Japan サッシ・ドア事業部長の関塚英樹氏は「スマートフォンの世帯普及率は75%に達し、今やスマホのない暮らしは考えられない時代に突入してきた。健康管理や家電の操作など、利用シーンが拡大する中、リクシルではスマートフォンを使って家電や建材までをつなげるIoTホームリンク『Life Assist』を2018年に発売した。しかしIoTへの関心度は人によってそれぞれ。今すぐIoT化したいと思う人がいる一方で、まだ必要ないと考える人もいる。新商品はそうしたニーズに合わせてプランを選択できることが特徴。インターネットにつなげて便利な機能を提供するとともに、接続しない使い方でも新しい機能を提供する」と、開発背景を話した。
新玄関ドアの玄関ドアDA、玄関ドアDA防火戸と新窓シャッターのスマート電動と電動は、いずれも専用アプリを用意し、スマートフォンと連携し使用できる新モデル。Life Assistと連携することで、外出先からの来客対応やすべての窓シャッターを一斉に開閉するなど、便利な使い方を提案する。
玄関ドアDA、玄関ドアDA防火戸は、スマートロックシステム「FamiLock(ファミロック)」を標準搭載した玄関ドア。専用の無料アプリ「My Entrance(マイ エントランス)」をインストールすれば、スマートフォンが玄関キーとして使えるほか、リモコンキー、カードキー、手動キーと4つのデバイスで施解錠ができるマルチスタイルに対応する。
My Entranceにより、アプリに操作履歴が残るほか、家族がスマートフォンで施解錠した場合に、登録したアドレスにメールで知らせることも可能。Bluetoothにより、スマートフォンをバッグやポケットに入れたまま、ドアのボタンを押すだけで上下2つのカギが解錠するワンタッチオープンもできる。
Life Assistと連携すれば、スマートスピーカーでの音声操作や、ほかの建材や家電と連動することも可能。パナソニックのドアホン「外でもドアホン」と連携すれば、外出先でも家の中でも、スマートフォンによる来客応対や施解錠にも対応する。
発売開始は4月1日。カラーは全21色、デザインは17種をそろえ、参考価格は玄関ドアDAは34万5000円~、玄関ドアDA防火戸は49万5000円~となる。
スマート電動と電動は、スマートフォンで窓シャッターの開閉ができる電動シャッター。寝室などから開閉操作ができるほか、開閉状態をひと目で確認できる。
リクシルによると、「つけてよかった住宅オプション」をテーマにユーザーアンケートを実施したところ、「電動シャッター」が1位を獲得。通常のシャッターは開閉が面倒、手が汚れるなどの「困りごと」があったが、それらを解消できるツールとして満足度が高いという。
しかし、リクシル住宅用窓シャッターの電動採用比率は約10%と低い。リクシル LIXIL Housing Technology Japan サッシ・ドア事業部 サッシ商品開発部長の大野真氏は「手動シャッターよりも設置、施工が大変で、問い合わせも多そうなど、施工会社の方が扱いにくいと思われていることがハードルになっていると感じた。そこで、スイッチの配線工事を不要にしたり、無線LANと変換アダプタを介してワイヤレスでつなげる環境を整えたりと、施工会社の方にも扱いやすい構造にした」と進化点を話す。
専用の無料アプリ「My Window」を使って手持ちのスマートフォンから操作ができ、Life Assistと連携すれば、外出先からもシャッターの操作が可能。スマート電動には、銅板窓シャッターの「標準タイプ」と採風、採光ができる「採風タイプ」の2タイプ、電動には標準タイプのみを用意する。
発売は東日本地域が4月1日、西日本地域が6月1日。新築用とリフォーム用をそろえ、参考価格は新築用が28万2900円 (電動標準タイプ)、33万2900円 (スマート電動標準タイプ)、54万5600円(スマート電動採風タイプ)、リフォーム用が16万9000円(電動標準タイプ)、19万9000円(スマート電動標準タイプ)、37万7000円(スマート電動採風タイプ)になる。
関塚氏は「今まで電動シャッターは防犯の観点からアピールしてきたが、2018年は大型の台風が多く、その対策としても有効。今後は防災の部分も訴求していきたい」とコメント。リクシルでは、電気錠搭載ドアと電動シャッターをあわせて、2024年3月期に200億円の売上規模を目指す。
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