空飛ぶクルマプロジェクトが経産省では“異例”の「週1官僚」を募る理由 - (page 3)

西中悠基 (編集部)2019年03月07日 12時20分
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――今回の募集で経済産業省が求める人物像とは、どのようなものでしょうか。

 まず社会受容性での採用ですが、政策を国民に伝えるだけでなく、国民がどのように思い行動するかを考慮し、対話を通じて政策を軌道修正する、という関係性を構築できる人材を求めています。例えば、PRの専門家や、企業のマーケティング担当者など。メディアやステークホルダーを利用して、組織のビジョン遂行や自らのミッション達成に向けて調整しているような人物です。

 また担い手での採用ですが、空を使って困っている地域をどのように解決できるかをリアルに考えられる人材と考えています。地方の課題を認識している地域コミュニティの専門家、あるいは、MaaSの議論をする際に都市や移動のデータを見ている人などです。今回の募集については、間口を狭めて募集するのではなく、やる気があり、一つでも要件に当てはまるような人材を広く探していきたいと考えています。


――省庁の採用体系としてはとても斬新だと思うのですが、省内から反発はなかったのでしょうか。

 反発はありませんでしたが、求める人物像の間口が狭いので、「本当に手が上がるのか」という心配の声はありました。ただ、省庁で勤務していると、外部からの知見というものはヒアリング以外には入りづらい環境となってしまいます。そこに外部の知見を入れ、新陳代謝を高める意味では、省内でも肯定的に受け止める声が多く上がっています。

 現在の日本では、閉じた世界で政策が作られていることが、政策不信の大きな要因になっていると考えています。しかしながら、これからの日本においては、新しい未来を考える、新しいテクノロジーをどのように受け入れる、といった点では、多くの人が考える必要があります。「霞ヶ関で何かやっているな」ではなく、新たな政策立案手法として、志を持った人とともにチームを組むということでは、省庁も外部人材もウィンウィンです。また、政策として還元されるという点においては、国民にも利益があると思います。

 働き方改革の観点からも、兼業・副業は推進すべきです。政府は、それぞれが働きやすい場所を選べる時代という政策を進めています。人事面でも、組織の活性化は重要です。外部からの人材が入ることで経済産業省が元気になり、ひいては日本全体を元気にする原動力となることを期待しています。空飛ぶクルマプロジェクトは一つのプロジェクトですが、それを普遍化し、政策立案を変えていく要素が詰まっています。この空飛ぶクルマプロジェクトで成功例を作ることで、経済産業省の他プロジェクト、他省庁、さらには民間企業に、副業・兼業採用の波が広まっていくことを望んでいます。

 空飛ぶクルマという機体に注目が集まるこのプロジェクトでですが、「モノ」に引っ張られるべきではありません。空飛ぶクルマは一つのツールに過ぎず、これを使って社会課題を解決することが重要です。それを共に考えられる仲間を募集したいと考えています。

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