2月18日~2月24日のAppleに関連するCNET Japanのニュースをまとめた「今週のAppleニュース一気読み」。
Appleはホリデーシーズンに当たる2019年第1四半期決算で、iPhoneの売上高を15%も失った。他のカテゴリはいずれも好調だったことを考えると、スマートフォン市場の問題と、そこの影響を直接受けてしまったiPhoneの戦略に変化をもたらす必要性を示唆している。
これまでもそうだったが、Appleは上手くいっているビジネスは継続する、というシンプルな選択をしてきた。そうでなければ対策をとる必要がある、というわけだ。そして、ここ最近のAppleにおける戦略は、iPhoneの高付加価値化だった。
最新の最上位モデルのiPhoneは999ドルからとなり、長らく続いてきた649ドルからという価格から350ドル値上がりした。同等の性能を持つiPhone XRの749ドルをみても、やはり649ドルからすれば100ドル上がっている。この点が裏目に出たとすれば、価格の安いiPhoneを投入することは、非常に分かりやすい取り組みと言える。
しかしながら、別の側面からみるとのiPhoneという存在を後退させる可能性もはらむことになる。iPhone Xで、全画面ディスプレイとTrueDepthカメラを搭載し、ホームボタンと指紋認証を廃止した新しいiPhoneのデザインへ移行した。
これにより、インターフェースも、セキュリティも新しい世代へと移行し、これを支えるプロセッサやソフトウェアで、他社との差別化を明らかにした。非常に基礎的な部分から作り上げた底力によって、新しいデザインの製品が支えられているのだ。
そのため、廉価版だからといってこの基礎を放棄することが、手放しに正しい戦略だと言えることではないだろう。
それでも、廉価版とハイエンドの二面での戦略で成功している製品として、iPadがある。3年にわたる低迷を乗り越える契機となったのは、iPad Airのデザインと技術要素を持つ349ドルの9.7インチiPadの投入だった。
こうして販売台数と売上高が上向き、iPhone Xと同様のデザインへと進化を遂げたiPad Proシリーズによって2019年第1四半期は17%もの売上高増を実現した。
このラインアップの戦略を「成功」とみるならば、AppleはiPhoneでもこの二面作戦を採用するだけの合理的な理由となる。そして幸いにも、つい最近までiPhoneにも廉価版をになっていたiPhone SEが存在していた。
このiPhone SEをどのレベルに進化させるか、あるいは進化をとどめるか、という点は、興味深い議論を招いていくだろう。
最近まで販売されていたiPhone SEはA9チップを搭載するiPhone 6sと同等の性能を、4インチという小型ディスプレイのiPhone 5sのデザインに採用した製品だった。iPhone SEの4インチのサイズを維持するのか、iPhone 6移行の4.7インチに拡大させるのか。そして価格はキチンと300ドル台で維持できるのか。あるいはそもそもiPhone SEをやらないで我慢するのか。注目のポイントがいくつもある。
アップルは今こそ「iPhone SE 2」を出すべきだ(2/19) 16インチ「MacBook Pro」や新型「iPad」、年内発売か(2/19)Appleは2018年6月に開催した世界開発者会議(WWDC)で、2019年から一般開発者向けにも、iPadとMacのアプリ開発の共通化を実現する環境を提供するとした。その上で、現在のmacOS Mojaveに搭載されているニュース、株価、ホーム、ボイスメモといったアプリは、iPadのコードからMacアプリが作られていることを明かした。
多くの場合、iPhoneとiPadのアプリは一体的に作られて、App Storeも統合されている。しかしMac向けには、Mac App Storeが独立して存在しており、現状iPadとアプリが共通化できても、ストアへの登録を開発者は別々に行わなければならず、ユーザーがMacとiPadで同じ有料アプリを使いたい場合、別々にコストを支払わなければならない。
こうした問題を解消する計画があるとBloombergは伝えている。App Storeが一本化され、iPhone・iPad・Macを通じて利用できるアプリ開発を実現するとみられている。
これまでiOSとMacで別々に有料アプリを販売している開発者にとっては、プラットホーム別販売の機会が減ってしまうが、Appleは開発者に対しサブスクリプション化を促しており、ユーザー・開発者の双方にメリットがある形でのアプリとサービスの提供の環境は整っていると言える。
アップル「Marzipan」プロジェクト、2021年には「iPhone」「iPad」「Mac」のアプリを統合か(2/12)CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果