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クラファンしてN高に転校、オフ会で家をもらう--ネットで“人生”を変え続ける16歳 - (page 2)

別井貴志 (編集部) 藤井涼 (編集部) 阿久津良和2019年03月04日 12時30分
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普通高校を辞める「不安はなかった」

——なるほど。そのような経緯でN高に転校したのですね。好きなことを貫くには、時にリスクが伴います。世の中には、普通高校を辞めることを“失敗”と捉える人も少なくありませんが、どう考えますか。

 世間に「高校中退は失敗」という価値観が存在することは理解できますが、高校1年生で(学校を)辞めることを失敗だとか、恐怖に感じることはありません。たとえば、DMMアカデミーにはヤンキーも通っているそうです。なので、もし自分がヤンキーになったとしても、入学を断られることはないと思いました。それなら誰も経験していない面白さを優先した方が、唯一無二な存在を見つける一番の近道ではないでしょうか。

 そのころから、世間一般の価値観は気にならなくなりました。この一件を「note」に書いたところ拡散され、多様な意見をいただきました。

——学校を辞めてから、N高やハッシャダイに入るまではどうしていたんですか。

 当時は不安もなく、無敵感がありました。後から思い返せばこれも勘違いですが。学校を辞めたのは2018年6月、まだ15歳なので、やることもなく実家でニート生活を続けていました。(noteが拡散したこともあり)そのころは、1日10人近くTwitter経由で「会いましょう」と言ってくださる方がいて、1日2食はごちそうしていただきました。東京や大阪の方、ニートから社長、同性代など多様な方とお話して、それまでの学校教育にはなかった、見えなかったものが見えたことで、不安は完全に払拭されたんです。

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 当時、埼玉県でオフ会があり、参加したところ(参加者の1人から)「お前めっちゃおもろいやん。家あげるわ」と言われ、翌日から江東区にある家で3カ月ほど暮らしました。そのあと(自分の力で)渋谷区に移り住んで、いまは数カ月ごとに住む場所を変えています。カバン1つに生活道具を詰め込んでいるので、お皿も持っていませんし、着替えも多くありません。書籍も持たず、仕事道具もMacBookとiPhoneだけですが問題ありません。

 現在は、N高に在籍しながら、ハッシャダイの給与で生活しています。Twitter経由で現在の上司にあたる方に「遊びにおいでよ」と声をかけてもらいました。最初はオフィス内のカフェでアルバイトしていましたが、面白くないんです。アルバイト経験は初めてですが、そのうちサボるようになり、社員と雑談していたところ目を掛けていただくようになりました。現在はメディア設計やライティング、グロースハック、イベント運営・実施のサポート、SNSの集客など、言われたことを何でもしています。ある意味で社内ニートですね(笑)。

早いうちに多くの「絶望」を感じたい

——ところで、なぜ今回クックパッドの生鮮食品ECハッカソンに参加したのでしょう。

 僕はコードを書けません。それでも参加した理由は、「無敵感」の上に「絶望」があり、その上にも「思い上がり」という感情があると思うからです。その、絶望をいまのうちにどれだけ感じられるかが大切だろうと考えています。絶望を絶望で終わらせないために、ハッカソンに参加したんです。

 僕の考える「自由」の定義は、制限されながらも選択肢を得られる状況です。中学校の文化祭開催も自由の1つでした。ハッカソンという場でコードが書けなくても、サービス設計と言われる領域で大きく関与できたと思っています。

——高木さんにとって幸せの定義とは何でしょうか。

 興奮することです。たとえば、トイレ掃除でも誰かと競い合えば、労働だと思わずにエキサイティングしながら楽しめますよね。いまは本当に楽しいことしかしていません。ハッカソンへの参加も、スマートフォンを見ながらドリンクを飲むこともそうです。なので、僕を興奮させてくれれば(自身のリソースを)「自由に使ってくれと」と言います。そのために、相手には「労働を労働と思わせない仕組み」を提示してほしいですね。

——将来やりたいことはありますか。

 何をやりたいとすぐには言えませんが、いま好きなのは銭湯とケバブ屋ですね(笑)。いま住んでいる家にもお風呂はありますが、週1回は銭湯に通います。ケバブも渋谷や原宿周辺に多く、ついつい食べてしまいます。僕は基本的に現金を使いませんが、この2つは別ですね。

 真面目なことも言うと、国内ではデータサイエンティストが開発領域や統計に携わるものの、包括的デザインとなると別領域になりますよね。また、たとえばオフィスにはゲスト向けWi-Fiアクセスポイントを紹介するカードがあるものの、パスワードは別というケースも珍しくありません。こうした、「始まりから終わりまでの一貫した体験」を実現できていない、世の中のいろいろなところに苛立ちを感じます。ここを変えていきたいですね。

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 それと、いま週2回は仕事終わりに美術館に行っています。館内でよく幼児を見かけるんですが、幼少期の芸術体験は想像以上に価値があると思うので、美術館に連れて行ってあげられる親になりたいです。日本でも裕福層が増えていますが、彼らに共通しているのは教育の重視です。もちろん自分の親に対する感謝の念はありますが、過去を振り返ると、教育に投資してもらった経験は多くありません。自分の親を超える、教育に積極的な親になりたいと思います。

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