Appleの2019年第1四半期の業績がどういうものになるかを、われわれはある程度分かっていた。米国時間1月2日、同社が2002年以来となる業績予想の下方修正を発表したからだ。市場は実際の業績発表までの間に、この悪い知らせを迎える準備ができていた。だが、最も興味深かったのは、他の製品やサービスは好調だった同四半期に、iPhoneの売り上げが落ち込んだことだ。注目すべきもう1つのポイントは、最高経営責任者(CEO)のTim Cook氏がiPhone不調の一因がその価格にある可能性があると、ついに認めようとしていることだ。
iPhone以外では、Appleの第1四半期の業績は力強いものだった。Appleによると、「Macの売上高は9%、ウェアラブル、ホーム、アクセサリの売上高は33%増加して過去最高を記録し、iPadの売上高は17%増だった」という。驚くほど強力な四半期だ。
また、サービス部門も前年同期比19%増の109億ドルで過去最高だった。
1株当たり純利益は4.18ドルで、これも過去最高だった。
だが、腐ったリンゴは箱の中のすべてのリンゴをだめにする。そして、この場合の腐ったリンゴとは、iPhoneのことだ。
iPhoneの売上高は前年同期比で15%減少した。
それでも、iPhoneの第1四半期のアクティブインストールベースは14億台だった。
では、この四半期でまずかったのは何だろうか?
Cook氏は業績発表後の電話会見の冒頭で次のように語った。
では、この背景にあるのは何でしょうか? 端末を購入する顧客の観点から見て何が起きているかを理解することが重要です。この結果は複数の要因によるものだとわれわれは考えています。まず、為替の問題があります。米ドルの相対的な強さにより、われわれの製品は世界の多くの地域でより高価格になりました。
次に、補助金の問題です。iPhone購入のための補助金は、一般的ではなくなってきました。例えば日本では従来、iPhoneは通信業者による補助金とサービス契約付きで購入するものでした。重要な期間のプロモーションでは補助金が高くなることもよくありました。現在では、現地当局がこうした補助金や関連する競争を大幅に制限しています。その結果、日本で補助金付きで販売したiPhoneは、前年同期は販売数全体の約4分の3だったものが、2019年の第1四半期は全体の半分以下になりました。また、補助金の額も減少しています。
3つ目は、バッテリー交換プログラムです。何百万人もの顧客のiPhoneのバッテリーを安価で効率的に交換することで、旧モデルのiPhoneをさらに長持ちさせることになりました。
びっくりだ。中国市場についてはまったく触れていない。Cook氏は電話会見の冒頭挨拶で、中国について、年間で売上高が伸びたと指摘し、いいことしか言わなかった。だが、最高財務責任者(CFO)のLuca Maestri氏はしっかり中国市場について触れた。
地理的には、前年比の減少の大分部は、中国および新興国市場でのものです。為替面でのマイナスが業績に影響しました。
だが、本当に面白い情報は、Cook氏とアナリストのSteve Milunovich氏との間で交わされた会話にあった。
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