Milunovich氏:
iPhoneの新モデルの価格を高く設定しすぎたとみる向きもあります。価格弾力性について何を学びましたか? また、価格設定を高くしすぎたかもしれないと感じていますか? 将来値下げする必要があると思いますか?
Cook氏:
われわれの昨年の動きを見てもらえば、米国での「iPhone XS」の価格が1年前に発売した「iPhone X」と同じであることがお分かりいただけると思います。新しい「iPhone XS Max」はXSより100ドル高い。そして、「iPhone XR」は、昨年の「iPhone 8」と「iPhone 8 Plus」の中間の価格です。つまり、米国での価格設定は、昨年とほとんど変わりません。
だが、Luca(Maestri氏)が先ほど説明したように、為替の問題が国際市場の、特にドルに対して大きく変動しやすい新興国市場の状況を変えました。
そして、われわれが1月に一部の地域の幾つかの製品で行った対策で、前年からの為替変動の一部または全部は吸収できており、1年前の現地価格に近いか、同様の価格になるでしょう。つまり、はい、私も価格が一因だと考えています。その一部は為替の問題だと思います。
さらに、冒頭挨拶で述べたように、先進国市場では恐らく、補助金問題がより重要です。先ほど日本を例に挙げましたが、この国(米国)ででさえ、補助金がなくなっています。もしあなたが前回購入したiPhoneが6sか6、あるいは7だったとしたら、その代金は199ドルでしょう。それが、補助金なしになると、確実にそれ以上の価格になります。そこでわれわれはこの問題に対処するために、多数の対策を講じています。先ほど述べた下取りサービスや分割払いでの購入などがそうした対策の一部です。
ここには価格感応度に関する多くの要因がある。iPhoneの新モデルは旧モデルより高いという認知、為替の問題、一部の地域で補助金が出なくなったことで、購買者にある程度の値札ショック(高価格に驚いて買い控えること)が発生したこと、だ。
だが、Cook氏のこの認識もある。「つまり、はい、私も価格が一因だと考えています。」
Cook氏は別の質問に答えた際、この認識についてさらに次のように語った。
補足すると、XRが最も人気のあるモデルで、次はXS Max、そしてXSの順です。
つまり、最も人気のあるiPhoneは最も安いモデルで、次は最も高いモデルということだ。これは興味深い割れ方だ。なぜなら、これはAppleが幾つかの地域では値下げをしながらも、売れ行きがまだ堅調な国々ではiPhoneの価格を維持するという課題に直面していることを意味するからだ。
これは非常に困難な挑戦になりそうだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス