業績下方修正はアップルの終焉か、新たな時代の幕開けか

Adrian Kingsley-Hughes (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 川村インターナショナル2019年01月11日 07時30分

 Appleが、第1四半期の業績予想の下方修正を発表した。これを予想外と感じた方は、兆候を見逃していたことになる。確かに、同社としては2002年以来初めてのことであり、新年早々の出来事ではあったが、その兆しは、しばらく前からあったのだ。

 過去数カ月だけを見ても、新型「iPhone」の需要が、投資家の期待ほどには伸びていないという兆候はいくつもあった。

 また、AppleがiPhoneなどの出荷台数の公表をやめたことについて、少なからず懸念していなかったのだとしたら、やはり現実から目を背けていたことになる。Appleはもともと、出荷台数を誇りたがる企業だった。それが、出荷台数を前面に出さなくなった理由は、合理的に考えれば1つしかない。Appleが10年間かけて築き上げてきたイメージに、現実の出荷台数がそぐわなくなったということだろう。

 とは言っても、四半期の業績見通しを発表した2カ月後に下方修正を発表せざるを得なかったという事実は、いかに事態が急変し得るかということを物語っている。

 こうなると、誰でも疑問に思うだろう。Appleはもう終わりなのか、と。

 答えはノーだ。

 現金は潤沢にあり、iPhoneは依然として莫大な収益をもたらすだろう。

 それだけの話である。

 それでは、どのようにしてこのような事態が起こったのだろうか。

 筆者が考える最も明解な答えは、Appleが成功しすぎて、それが足枷になっているということだ。なにしろ、ハイエンドスマートフォンの売れ行きが速すぎて、製造が追いつかないという会社だ。投資家に向けた手紙で、Appleの最高経営責任者(CEO)Tim Cook氏は次のように、サプライチェーンの問題について言及している。「当四半期中に積み増す新製品の数がかつてないレベルになることがわかっており、第1四半期中にサプライ面での制限が特定の製品の販売台数に影響を与えることを予想しました」

 AppleにとってiPhoneは「売りやすい」製品である(そのあげくに、同社は他の自社製品を軽視するようになり、メインストリームモデルより、高価なiPhoneを優先するようになってしまった)。

 要するに、AppleはiPhone市場からできる限りの利益を搾り取ってきた。同社に大きな「次の目玉」がない理由もこれで理解できる。現状を混乱させるだけに終わるかもしれない、という判断だ。iPhoneは、一方にハードウェア、もう一方に「iOS」を抱え、その存在自体がApple自身でさえ持て余すほど巨大になっているように思える(サプライチェーンの問題も、その表れだ)。今の時点では、大きいものをさらに抱え込む余裕はないだろう。「iPad」と「Apple Watch」がiPhoneほど大きな規模に至っていないのも、そのことが理由なのかもしれない。

 だとしても、Appleは次の手をどうするのか。

 そう、注目すべきなのはこの点だ。今回の失速はiPhoneや「Mac」、 iPadの購入層にとって、最終的には朗報だと筆者は考えている。これを機に、Appleはメインストリームの製品と価格帯を重視するようになり、価格の上限に挑もうとすることを控えるようになるからだ。さすがに高額製品を値下げするとは思えないが、メインストリームの価格については見直しを期待できると思う。

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