ショートムービーアプリ「TikTok(ティックトック)」を提供するByteDance(バイトダンス)は1月31日、2018年の実績を振り返るとともに、新たにクリエイター育成プログラムを開始することを発表した。
2018年に最も注目されたサービスのひとつであるTikTokは、15秒間の短い動画を共有できるプラットフォームだ。「TikTokの最大の魅力は、モバイルオンリーであること。スマートフォンに特化したエクスペリエンスを強く打ち出している」と、ByteDance グローバル・ビジネスデベロップメント本部長の井藤理人氏は語る。
コンテンツはバラエティに富んでおり、音楽のみならずグルメや旅行、スポーツなど多岐に渡っている。TikTokはそれらのコンテンツを人工知能によりユーザーに効率よくマッチングさせている。「TikTokを使い始めると、利用時間がどんどん長くなるという声をよくいただく。それはAIがうまく機能していて、そのユーザーが興味を持つコンテンツを表示しているからだ」(井藤氏)。
TikTokはエンゲージメントが高いと井藤氏はいう。「ハッシュタグチャレンジ」というハッシュタグに合わせた動画を募集するイベントがTikTok内でよく開催されているが、参加率は全体の52%に上るという。また、動画で紹介されたアプリやゲームをダウンロードしたことがあるユーザーは30%、動画で紹介されたアプリやゲームを検索したことがあるユーザーは21%、動画で使用された楽曲をダウンロードしたことがあるユーザーは21%いるという。
TikTokの人気を証明する数値も明らかにされた。TikTokは150の国と地域をカバーしており、75の言語に対応している。2018年には、iOS版アプリのダウンロード数が世界1位を記録したという。「これはFacebookを超えるランキングであり、非常に喜ばしい結果だった」(井藤氏)。
日本で人気があるコンテンツは、国内の一般クリエイターが手がけたものという特徴がある。そして音楽やネタに関しても、国内独自のものが人気だという。ジャンルも多彩であり、絵画・陶器、ショートコントなど、60%以上が音楽とダンス以外のジャンルだという。
井藤氏は、TikTokのパートナーシップについても語った。Apple、NBA、ソフトバンク、紅白歌合戦など、音楽、スポーツ、キャリア、メディア、ライフスタイル&観光といった、国内外の幅広いジャンルの企業と提携しているという。
続いて、ByteDance副社長の西田真樹氏が登壇し、2019年の展望を語った。西田氏は2018年Q4のMAU(月間アクティブユーザー)が950万であることを明かした。「約1年でこのボリュームになった。これほどの成長を遂げられたプラットフォームはなかったのではないか」と西田氏は胸を張る。TikTokのMAUは今回初めて明かされた数字だ。ユーザーエンゲージメント(いいねやコメント、シェアの割合)は91%であるという。動画の投稿率は66%。ユーザーの半数以上が動画を作成、投稿している。
同社は2018年7月から、TikTokをプラットフォームにした広告事業を開始している。グローバル企業らしく、グローバルブランドが多く名を連ねていると西田氏は述べた。消費財系のメーカーからは特に好評で、キャンペーンや広告のリピートも多いという。
西田氏は、「15秒という限られた時間の中で、ユーザーとクリエイターが支え合って、非常に効率の良いコミュニケーションが生まれている。そのコミュニケーションの中で広告主やパートナーが色々なビジネスを行っている。そこで我々は、ユーザーがもっと楽しいコンテンツを見つけられるように、クリエイターがもっと面白いコンテンツを作れるように、そしてパートナーが事業をうまく回していけるようなプラットフォームを突き詰めていきたい」と、2019年の事業展開について語った。
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