Intelは米国時間1月31日、暫定的に最高経営責任者(CEO)を務めていたRobert Swan氏を正式なCEOに指名したと発表した。
Swan氏はeBayやGeneral Electric(GE)のほか、Electronic Data SystemsとTRWのCFOを歴任した経歴を持ち、2016年からIntelの最高財務責任者(CFO)を務めていた。約50年の歴史を持つ同社の7代目CEOに就任する。
Swan氏は、前CEOのBrian Krzanich氏が2018年6月に辞任したことを受け、暫定CEOに就任した。Intelは、妻帯者であるKrzanich氏が過去に社員との間で同意の上での親密な関係にあったことを取締役会が把握し、調査の結果、Intelの社則に違反したことが確認されたことから辞任に至ったとしていた。Krzanich氏は、CPUの脆弱性(SpectreとMeltdown)への対応にも取り組んでいた。Swan氏は、Intelが多くの問題を抱える時期に、常任CEOの座に就くことになる。約5年間CEOを務めたKrzanich氏は現在、自動車ディーラー向けシステムなどを手がけるCDK GlobalのCEOとなっている。
Intelはサーバチップ事業の成長やパーソナルコンピュータの販売増加などを背景に、2018年の業績は堅調だった。競合するチップメーカーQualcommとAppleが法的な争いを繰り広げていることもIntelに追い風になっているとみられる。Intelはモバイル市場で劣勢に立たされているが、Appleは「iPhone」でQualcomm製チップの使用を取りやめ、Intelのモデルを使用していると報じられている。
一方で、勢いが鈍化する可能性を示す兆候もある。PC市場は長期にわたり低迷している。顧客はPCの新規購入を先延ばしし、スマートフォンを活用するようになっている。AppleとQualcommの間の係争が収束すれば、Intelがモバイル分野で得る利益に影響する恐れもある。
Swan氏は、こうした変化の時期のかじ取りを担うとともに、今後のIntelの方向性を定める必要がある。スマートホームやコネクテッドカー、拡張現実(AR)などの潜在的な技術トレンドは数多く存在する。
またインテルは、常任のCFOが見つかるまで、財務担当バイスプレジデントでコーポレートプランニングおよびレポーティング担当ディレクターであるTodd Underwood氏が暫定CFOを務めると発表した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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