2019年はIntelにとって忙しい1年になりそうだ。同社は、次世代型PCだけでなく、消費者向けのハイテクガジェットからAI、クラウドデータセンター、自動運転車などの分野にいたるまでの多数のスマートデバイスを対象とするチップの準備を進めている。
こうしたあらゆる分野の機器に対応するのが、10nmプロセスを採用する同社の次世代チップだ。
Intelは米国時間12月12日、「Architecture Day」を開催し、投資やイノベーションの拡大を目的とした多数の新技術を発表した。
まず注目すべきは、Intelの次世代CPUマイクロアーキテクチャ「Sunny Cove」だ。サーバ向けプロセッサ「Xeon」とクライアントPC向けプロセッサ「Core」で採用される予定で、標準的な処理におけるクロックあたりの性能や電力効率を向上させるだけでなく、AIや暗号化処理などの強化につながる機能追加もIntelは約束している。
Sunny Coveでは演算を並列実行する際の効率が上がるほか、データセントリックなワークロードの最適化を目的としたアルゴリズムの改善とバッファやキャッシュの拡大によって遅延が抑えられる。また、データ圧縮や暗号化などの処理に対応するためのアーキテクチャ拡張が行われている。
またIntelは、新しい内蔵GPU「Gen11」も発表した。Gen9の2倍以上となる64の高度な実行ユニット(EU)を備え、複雑な計算の高速化を目的に設計されており、1TFLOPSの壁を超える性能を達成する。
GPUチップは新しく設計されたH.265/HEVCエンコーダなどを備え、4Kの動画配信や8Kのコンテンツ作成をサポートし、「Adaptive Sync」にも対応する。
Gen11は2019年に、10nmで製造されるCPU(おそらくはSunny Cove)に内蔵される予定だ。
さらに興味深く、AMDやNVIDIAが緊張感を抱いて注目するにちがいないのは、Intelが2020年までにディスクリートグラフィックスプロセッサを投入する計画を再表明したことである。これが、グラフィックス業界に大いに求められていた激しい競争につながる可能性がある。
Intelはさらに、「Foveros」という新しい3次元パッケージング技術を発表した。ロジックとロジックをスタッキングする技術で、さまざまなコンポーネントを「チップレット」に分けて、I/OやSRAM、電力供給回路をベースのシリコン上に配置し、高性能ロジックチップレットをその上に載せることができる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」