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プレミアムインタビュー

“カオス”な状態を楽しめる人を採る--メルカリ山田会長の組織論

藤井涼 (編集部) 渡徳博(カメラマン)2019年01月29日 08時00分
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 世界で1億ダウンロード、累計流通総額が1兆円を超える国内最大のフリマアプリ「メルカリ」を手がけるメルカリ。2018年には日本では数少ないユニコーン企業として東証マザーズ市場に上場したが、その一方で新規事業を立て続けに終了したり、英国からも撤退するなどして注目を集めた。

 話題に事欠かないメルカリだが、同社の創業者であり代表取締役会長兼CEOの山田進太郎氏とはどのような人物なのかーー。「事業」「組織」「日常」の3つの視点から深堀りすることで、同氏の素顔に迫った(全3回)。第2回の「組織編」では、山田氏と経営陣との関係や、メルカリのカルチャー、組織作りで大切にしていることなどを聞いた。

“スター”が集う経営陣との関係

ーーメルカリの経営陣には、元ミクシィCFOの小泉文明氏(現・社長兼COO)や、元Facebookのバイスプレジデントであるジョン・ラーゲリン氏(現・US CEO)、元グリー取締役の青柳直樹氏(現・メルペイ代表取締役)など、各社で活躍した“スター選手”が集っていますが、それぞれの役割について教えてください。

 私と小泉、そして濱田(技術とプロダクト戦略を統括する取締役CPOの濱田優貴氏)の3人で全社のことを見ています。メルカリの日本事業については田面木(メルカリジャパンCEOの田面木宏尚氏)が担当していて、メルペイについては青柳、USについてはジョンが担当しており、それを我々3人が支援するような形です。

メルカリの経営陣
メルカリの経営陣

 経営陣とは頻繁にコミュニケーションをとっていて、私はメルカリ全体として中長期で戦略を考えています。主にコーポレートの部分については小泉と、エンジニアリングやプロダクトの方向性みたいな部分については濱田と話しています。ほかにも、少し未来のことや、組織を今後どうしていくかみたいなところも一緒に考えていますね。

ーー山田さんは月の半分ほどを海外で過ごすそうですが、時差などは意思決定のスピードに影響しませんか。それぞれの経営メンバーにある程度、判断は委ねられているのでしょうか。

 基本的には僕自身はオペレーションを持っていません。プロダクトによって多少重なる部分はあるものの、(経営メンバーで)明確な分担をしているため、日々の業務における決断などについてはそれぞれのトップが独立した形でしています。

 僕がどこにいても経営のミーティングは(オンラインで)できるので、たとえば中国に行ったり、新しいことをしたりと、フレキシブルに動くことができています。

大切にしている「3つのバリュー」

ーーメルカリで大切にしている価値観やカルチャーについて教えてください。

 やはり、我々が掲げている「バリュー」(「Go Bold(大胆にやろう)」「All for One(全ては成功のために)」「Be Professional(プロフェッショナルであれ)」がそれにあたるかなと思います。プロフェッショナルな人たちで、大きな成功を目指しましょう。ただ、そこで普通のことをやっていたら普通の結果しか出ないので、大胆に達成していこうということですね。

メルカリが掲げる3つの「バリュー」
メルカリが掲げる3つの「バリュー」

ーー社員の評価などもこのバリューが基準になっているのでしょうか。

 そうですね。例えばバリューごとに、「前クオーターではどんなGo Bold(大胆)なことをしたんですか、今クオーターはどういうことをするんですか」みたいな話はよくしていますし、そういったところが評価されますね。もし、そうじゃなければ改善していこうという話をしています。

ーー2018年10月に入社した新卒社員約50人のうち9割が外国籍、そのうちの約30人がインド工科大学(IIT)を卒業したインド人だったことが話題となりました。なぜ、ここまで外国人比率を高めたのでしょうか。

 いまは日本にヘッドクオーターがありますが、日本人だけでグローバルテックカンパニーになるという目標が達成できるかというと絶対に無理です。いろいろな国の人がいないと、それぞれの国の事情に対応できないと思っているので、様々な国から優秀な人材を採用した方が、当然全体としての質は高まりますよね。将来像を見たときに、こういう状態になるべきだなというところに向かって、徐々に(外国人の)比率を高めています。

ーー今回はインド国籍の採用が多いですが、優先的に採用している国や地域はあるのでしょうか。

 特にこの国の人を採ろうということはないのですが、結果的に10月にはインドから30人近く入ってきてくれました。それはすごくいい方法でインドで面接ができたので、たまたまインドの人が多かったんですけれども、基本的には優秀な人だったらどこの国でも関係ないという考え方ですね。

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 むしろ、ダイバーシティーにしたいというか、いろいろな国の人がいる状態を作ろうと考えているので、日本語は別に喋れなくてもいいというスタンスで採用しています。それによってすごく幅が広がるというか、結果的にはすごくミックスされた文化になっていくのだと思います。

ーー第1部の「事業編」でも急拡大する中での組織作りの難しさを語っていましたね。日本語が話せない外国籍の社員も一気に増えてくると、いわば“カオス”の状態で、共通のカルチャーや価値観を根付かせるのには苦労しませんか。

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