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プレミアムインタビュー

メルカリが「米国」にこだわり続ける理由--山田会長に聞く事業戦略

藤井涼 (編集部) 渡徳博(カメラマン)2019年01月28日 08時00分
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 世界で1億ダウンロード、累計流通総額が1兆円を超える国内最大のフリマアプリ「メルカリ」を手がけるメルカリ。2018年には日本では数少ないユニコーン企業として東証マザーズ市場に上場したが、その一方で新規事業を立て続けに終了したり、英国からも撤退するなどして注目を集めた。

 話題に事欠かないメルカリだが、同社の創業者であり代表取締役会長兼CEOの山田進太郎氏とはどのような人物なのかーー。「事業」「組織」「日常」の3つの視点から深堀りすることで、同氏の素顔に迫った(全3回)。第1回の「事業編」では、上場による変化や、米国を中心とする海外戦略、現在開発中の決済サービス「メルペイ」などについて聞いた。

上場前も上場後もメルカリは「一貫している」

ーー2018年6月の上場から約半年が経ちましたが、社内外でどのような変化や影響を感じていますか。

 IPOはもちろん大きなマイルストーンだったのですが、どちらかというと社員が1000人を超えてきて、数百人だった頃と比べると、ちょっと違う組織というか、マネージメントを含めてすごくフェーズが変わったなと感じています。

 以前までは、「こういう時はこうだよね」「このチームはこういうことを追いかけているよね」ということが割と把握できていたのですが、人が多くなってくると難しくなってきて、少しズレることも増えてきたのかなと。そういうところを今は明文化というか、ロードマップや事業計画をちゃんと作って、会社全体として1つの方向に向かっていく状態に変わってきたのかなという感じですね。どう経営していくのかというところが、ある意味すごくチャレンジというか、一番大きかったなと思いますね。

ーー急成長企業ならではの課題ですね。組織作りについては、第2回の組織編でも詳しく聞かせてください。上場前には、日本から生まれた数少ない「ユニコーン企業」(評価額が10億ドルを超える非上場ベンチャー企業)と評されましたが、どう受け止めていますか。

 そう言っていただけるのはありがたいことだと思うのですが、我々としてはグローバルでやっていくんだという中で、まだ全然できていないという感覚の方が強いですし、日本でもペイメント事業も含めてこれから広げていこうというタイミングです。なので、やるべきことをやっているという感じで、あまり外の評価は気にしていないですね。

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ーー2018年は厳しい業績となりましたが、新規事業や海外展開では当面、投資フェーズが続くのでしょうか。

 投資フェーズではあるのですが、我々が言っていることはずっと一貫しているつもりです。すごくグロースしている会社なので、いろいろなところにチャンスがあります。

 たとえば、米国のeBayはヤフオク!の10倍以上の規模があります。日本の中だけでやるのではなく、海外も(シェアを)とれればすごく大きなビジネスやチャンスがそこにあるのです。決済にしても、いまはメルカリというサービスの中でお金が回っているので、それを(メルペイで)直接リアルでも使えた方が便利じゃないですか。

 そういう会社なので、ビジネスを大きくするところにしばらくはフォーカスしていきます。その期限がいつまでとは言っていないのですが、成長する限りにおいてはチャンスを狙っていきますということは、上場前も上場後も一貫してお伝えしています。それがもし伝わっていないのであれば、本当に申し訳ないと思うのですが、これからもそういう方針で何一つ変わらず、規律ある投資をしていこうと思っています。

ーー2018年は、即時買取サービス「メルカリNOW」やスキルシェアサービス「teacha」、ブランド査定付きフリマアプリ「メルカリ メゾンズ」など、リリース後から短期間で“クイック”に撤退したサービスが目立ちました。

 そうですね、撤退したサービスも多くありました。いろいろと試していく中で、我々もリソースが限られているので、US(米国事業)とメルペイに注力していこうと総合的に考え、撤退や縮小をしました。ただ、全体的に縮小しているというよりは、採用も含めて強化していくところは強化して、一番可能性のある、グロースできるところに対してリソースを寄せている感じです。

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ーー撤退したサービスで再参入する可能性はあるのでしょうか。

 全く同じ形かどうかは分かりませんが、たとえばUK(英国事業)などはグローバルで考えたら絶対に今後もやっていかなければならない市場だと思っているので、再参入は全然あり得ると思っています。今のやり方とか、今の我々の持っているリソースでは難しいという話でしかないかなと思いますね。

「米国」にこだわり続ける理由

ーー英国撤退についてもう少し詳しく聞かせてください。英国ならではの文化や商習慣など、要因もあったのでしょうか。

 UKは本当にテスト的に始めていました。(撤退時には)売り上げがすごく少ないと言われましたが、もともと手数料を取っておらず、買取モデルなども試していたので、そこの多少の売り上げが乗っかっているみたいな状態だったんですね。

 テストの段階でお客様の反応というか、いろいろな指標を見た上で、今は難しいだろうということで撤退という判断になりました。日本とも数字を見比べながら総合的に判断したので、それがUK市場特有のものだったのかどうかというのは正直分からないところもあるのですが、KPIという意味では良くなかったので、そのまま拡大することなく終了して、もう一度再起を図ろうという形になりました。

ーーメルカリは欧米からグローバル化を進めていますが、なぜ急成長しているアジア市場には展開しないのでしょう。

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