仮想現実(VR)ゲームのVR空間において、自然な手の動かし方で何らかの操作を実行可能にするため、手指の動きをVRシステムへ伝える手袋型コントローラーが検討されている。たとえば、ソニーは磁気センサーを手袋に組み込む特許を取得し、当時Facebook傘下だったOculusは赤外線センサーを使う手袋の特許を出願した。
これに対し、Appleは圧力センサー内蔵手袋を考案。この手袋を実現するのに必要な技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間1月15日に「FABRIC-BASED DEVICES WITH FORCE SENSING」(特許番号「US 10,180,721 B2」)として登録された。出願日は2018年3月29日、公開日は2018年12月20日(公開特許番号「US 2018/0364804 A1」)。
この特許は、布製のアイテムに圧力センサー、導線、制御回路などを組み合わせ、何らかの要因で加えられた力を信号に変換し、制御回路で利用するための技術を説明したもの。第9クレーム(請求項)以降では、手袋型アイテムで指によって生ずる力を利用するとしている。こうした手袋を使えば、手指の動きでVRゲームなどを操作できるVRグローブが開発できるだろう。
さらに、第13クレームには、センサーで得た力のデータを無線通信で外部へ伝えるアイデアが記されている。これにより、PCやゲーム機などとケーブルで接続する必要のないVRグローブを作れる。
なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。
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