技術展示会「CES」は、輸送の未来を救うと約束する電気自動車や自動運転車でいつもあふれ返っているが、それらのコンセプトは人とモノの両方ではなく、そのどちらか一方を輸送するように設計されている。Mercedes-Benzは、コンセプトカー「Vision URBANETIC」でその問題を解決しようとしているようだ。われわれは、深夜のラスベガス・ストリップでそのコンセプトカーに試乗し、とても素敵なドライブを体験することができた。
URBANETICの、プラットフォームのようなシャーシはバッテリで動作し、自律的に走行することが可能だ。輸送するものに応じて、交換可能なモジュールをシャーシの上に搭載する。人を運ぶためのモジュールには12人が乗車できるスペースがあり、たくさんの窓に加えてLEDライトを備えるディスプレイに囲まれた大パノラマのムーンルーフを備えている。座席は円状に配置されており、ポッド後部の座席は2段になっている。貨物用のモジュールを見ることはできなかったが、Mercedes-Benzによると、353立方フィート(約10立方メートル)のスペースがあり、最大10個のパレットを搭載できるという。
URBANETICはリアルタイムの交通情報と連携する。さらに、付近のイベントを監視して、例えばコンサート終了後のスタジアムなど、需要の増加を予測し、特定の場所に自動車を派遣することもできる。前面と側面にあるディスプレイを通して、車外にいる人を認知することも可能だ。URBANETICは、歩道から車道にはみ出そうとしている歩行者を「視認」する。
モジュールは数分で交換できるため、充電時間を別にすれば、URBANETICは昼夜を問わず稼働させることが可能だ。最近はインターネットショッピングを好む人が多いので、URBANETICはラストマイル配達の問題を解決する優れたソリューションになるだろう。人の輸送についても、12人が乗車できるスペースがあるので、通勤も少し楽になるかもしれない。
Mercedes-Benzによると、これは単に電気による自動輸送ソリューションの研究であり、URBANETICを市場に投入する計画はないという。とはいえ、自律走行プラットフォームの上に交換可能なモジュールを使用するというアイデアは、1台の車両から最大限の効率性を引き出す興味深い方法だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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