UPDATE オバマ政権下で導入された規制の復活を望む議員らが、ネット中立性規則の廃止決定の撤回を求められる期間は過ぎてしまった。しかしその争いが終わる気配はない。戦いの場は連邦控訴裁判所へと移ろうとしている。
米民主党下院議員らは、議会審査法(Congressional Review Act)を適用して連邦通信員会(FCC)によるネット中立性規則の廃止決定を覆すために必要な票数を、2018年末までに集めることができなかった。共和党主導のFCCは2017年12月に、2015年に制定されたこの規則の廃止を承認した。ネット中立性規則は、インターネット上のすべてのトラフィックを平等に扱うために制定されたものだ。
Donald Trump米大統領が任命したAjit Pai委員長率いるFCCは、「圧政的な」規則は、インターネットサービスプロバイダーの投資とイノベーションを阻害すると主張している。
これに対し、ネット中立性支持派は、こうした保護がなければわれわれが知るようなインターネットは長くは続かないかもしれないと主張している。GoogleやFacebookなど大手テクノロジ系企業や、ウェブの創設者であるTim Berners-Lee氏などインターネットの権威たちも同様の立場をとっている。こうした支持派は、FCCによる撤廃以降、ネット中立性規則を復活させるべく、連邦議会や州議会で取り組みを進めてきた。
そして、支持派の面々は、ネット中立性を守るべく法廷に目を向けた。
22州の司法長官や複数の活動家グループ、さらにMozillaをはじめとするテクノロジ系企業がFCCを相手に訴訟を起こしている。原告側は、規則を撤廃したのは恣意的であり、州が独自の保護策を採用することを禁じたのは権威の逸脱だとして、FCCを非難している。
この法廷闘争は熱を帯びており、最終的には連邦最高裁に行き着くかもしれない。そうなれば、新しく最高裁判事に指名されたBrett Kavanaugh氏の判断が焦点となる。Kavanaugh判事は過去に、当初施行されたネット中立性保護策について、これを採用したFCCの権限を疑問視する意見を明らかにしたことがある。同判事は2017年に著した意見書で、規制に反対する立場を明確にしている。
Bloomberg Intelligenceの法律アナリストであるMatt Schettenhelm氏は、「ネット中立性の物語の次なる章は、法的判断を待つことがメインテーマとなるだろう」との見方を示している。
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