日本の“ハード”とインドの“ソフト”を相補関係に--BENGALURU TECH SUMMITレポート

荒井宏之(チガサキベンチャーズ共同代表パートナー)2018年12月28日 09時00分

 インドのベンガルールで、11月29日〜12月1日の3日間にわたりインターネットとバイオテクノロジーのカンファレンス「BENGALURU TECH SUMMIT」が開催された。

 今年で21年目を迎えるインドのテクノロジー産業を象徴するカンファレンスで、2018年のテーマは「革新とインパクト」。ビジネスや日常生活における最新の技術革新と技術的影響を理解し、活用するための、世界中の産業、技術、ユースケースが集まる。参加企業・組織は1500社を超え、参加者数は1万1000名以上におよぶ。

キャプション
「BENGALURU TECH SUMMIT」

 前回の記事では、世界のテックベンチャーを発掘できるプラットフォーム「SEKAIBOX」のメンバーが現地取材して厳選したインドのスタートアップをご紹介したが、今回はプログラムの1つであるジャパンセッションの模様をお届けする。

日印交流の機運が高まる「ジャパンセッション」

 2014年9月のモディ首相の訪日以降、安倍首相はインドとの戦略的協力関係は「特別」なパートナーシップに高まったと述べ、もともと強固な両国関係をさらに加速していくことを表明した。また、2015年12月にデリーで開かれた日印首脳会談で署名した「日印・IoT投資イニシアティブ」を皮切りに、ビジネス面においても両国関係をさらに強固なものにすべく、両国間で協議や交流が重ねられてきた。

 2018年は、5月の世耕経済産業大臣の訪印時に「日印スタートアップ・イニシアチブ」に合意し、デジタル分野におけるスタートアップの連携を推進することに合意。さらに、この協力範囲を企業間連携、IT人材、AIに関する研究開発、次世代ネットワーク、エレクトロニクスといった分野にも拡げるため「日印デジタル・パートナーシップ」にも合意するなど、インドとの交流の機運が高まってきている。

 今回のBENGALURU TECH SUMMITは日本もサポート国のひとつとして参加、JETRO ベンガルール事務所により「ジャパンセッション」が開かれた。

日本企業のデジタル化と人材交流の促進を

 JETRO(日本貿易振興機構)ベンガルール事務所の鈴木氏は、「インドでは日系企業社数は約5000社。自動車などの製造業だけでなく、日系サービス企業も増えてきており、中小企業もインド進出への関心が高まっている」とした上で、「日印関係は新たな局面に入ってきた。インドの成長市場に対して、日本からの投資を積極化したい。特に、日本はハードウェアに強く、インドはソフトウェアに強いため、両国のビジネスは相補関係が築ける」と述べた。

キャプション
JETRO(日本貿易振興機構)ベンガルール事務所の鈴木氏

 また、日本にとってのインドの位置づけとして「日本の喫緊の課題である高齢化社会および労働者の不足が懸念されることに対して、インドは非常に若い国であり、デジタルインディア、スタートアップインディア、スマートシティーポリシーなどの政策も含めて連携すべく重要なパートナーである」とした。

 両国間の課題としては2点を挙げた。1つ目が日本企業のデジタル化の遅れで、「近い将来に日系製造企業もデジタル化し、マインドセットを変えようとしている。インドでビジネスをできるようにするための柔軟性が必要」とした。2つ目が、人材交流の促進で「インドには日本人駐在員が7200人しかいない。米国と中国には100万人、タイには9万人いる。また、インドよりもインドネアやマレーシアにいる日本人の人数が多い」とし、「JETROは技術交流だけでなく、人材交流も促進していく」と語った。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画広告

企画広告一覧

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]