Googleは米国時間12月13日の公式ブログで、議論を呼んでいる顔認識技術に関する技術上およびポリシー上の重要な問題を解決できるまで、顔認識APIの提供を控えると述べた。
Googleは各方面の団体と協力し、顔認識をめぐる問題を洗い出そうと取り組んでいる。顔認識は、ネットワークに接続したカメラで人物の写真をデータベースと比較し、その人物を特定する技術だ。
Googleでグローバル問題担当シニアバイスプレジデントを務めるKent Walker氏は、「複数の用途がある多くの技術と同様、顔認識も、その用途が私たちの原則と価値観に沿っていることを明確にするとともに、乱用や有害な結果を招くのを避けるため、慎重に検討する必要がある」と述べている。Googleは、タイのバンコクで開催中の「AI for Social Good Summit」を共催している。
顔認識APIの提供を当面見合わせるというGoogleの決定は、この最先端のサービスを開発している他のIT企業が逆風にさらされている中でなされたものだ。AmazonとMicrosoftの従業員は、両社の顔認識技術が米移民税関執行局(ICE)や法執行機関に提供されることを懸念し、抗議の声を上げている。
IT業界以外でも、歌手のTaylor Swiftさんは12日、データベースに登録されたストーカーを識別するためにコンサートで顔認識ソフトウェアを使用したと報じられたことで批判を招いた。
顔認識は、スマートフォンのロックを解除するなど害のない用途に利用できるほか、行方不明者の捜索などで役立つ可能性もある。Googleは、他の組織に技術を提供する前に、その影響について理解を深めることが重要だと述べた。
同社の従業員らは、今回の発表より前に、Googleによる人工知能(AI)の使い方に抗議していた。
Googleは、物議を醸している中国市場向けの検索プロジェクト「Dragonfly」でのAIの利用に関して追及を受けている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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