Intelは米国時間10月8日、フラッグシップモデルとなる第9世代の「Intel Core i9-9900K」を発表した。オーバークロックが可能な倍率ロックフリーの8コアCPUで、ゲーマーやクリエイター(その定義は非常に曖昧だが)をターゲットとしている。
Intelは第9世代「Core」として、これに加えて「Intel Core i7-9700K」と「Intel Core i5-9600K」、それに18コアの「Intel Core i9-9980XE」を発表した。これらのプロセッサは、ワークステーション並みの処理能力を求めながらも、ワークステーション向けプロセッサを必要としていない人がターゲットだ。さらに、ワークステーション向けプロセッサを必要とするユーザーを対象とした「Intel Xeon W-3175X」プロセッサも併せて発表している。
i9-9900Kとi7-9700Kで特筆すべき点は、コア数が増えて8コアになったことだ。動画のエンコーディングなど、多くの処理が同時に行われるような場合には、コア数が多いほどいい。だがそれ以外の場合には、クロック速度が高いほうがより効果が大きくなる。この両方の特徴を兼ね備えているのがi9-9900Kで、1コアのみを使用しているときに、「インテル・ターボ・ブースト・テクノロジー」によって同社最大となる5GHzのクロック速度を実現する一方、必要があれば追加のコアを使用する。
Intelでは、処理能力を高めるためにメモリアーキテクチャを改良し、コアがメモリ不足に見舞われることのないようにした。また、チップとヒートシンクを接着するサーマルペーストの代わりに、はんだを成分とする熱伝導材料(STIM)を利用することで、オーバークロック時の放熱能力を高めている。
価格は、i9-9900Kのみで488ドル(約5万4600円)となっているため、このプロセッサを搭載したシステムは2000ドル(約22万6000円)を超えそうだ。
主要メーカーのシステムは、米国では8日から事前注文の受付が始まっており、19日から出荷される予定だ。
一方、18コアのi9-9980XEと28コアのXeon W-3175Xは、12月からIntelの顧客に向けて出荷される。したがって、これらのプロセッサを搭載したシステムの出荷は、2019年1月以降になりそうだ。
i9-9900Kは、2コアで5GHz、全コアで最大4.7GHzまで速度を上げられる。たが、i7-9700Kもほぼ同じ速度を達成しており、1コアで4.9GHz(2コアでは4.8GHz)、全コアで4.6GHzとなっている。i9-9900Kとの違いは、クアッドコアプロセッサで8つのスレッドの処理を可能にする「インテル・ハイパースレッディング・テクノロジー」を利用できないことだ。ほとんどのソフトウェアで最もよく利用される最適化オプションの4コアでは、i7-9700Kが4.7GHz、i9-9900Kが4.8GHzの速度を実現する。したがって、ハイパースレッディングや5個以上のコアを利用しない作業なら、この2つのプロセッサの差はそれほど大きくないだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス